大切なものをたいせつに

北極海航海に2度いくほど海が好き。 疑問に思ったことは自分の目で見て感じて確かめたい、と17歳でイギリスに1年間滞在、その後、北極海研究船に2度乗船する。メーカー勤務、大学勤務の中でその場で「話の見える化」を行うグラフィックファシリテーションと出会う。会議、ワークショップ、講演会、教育現場等、これまでに500以上のの現場に携わる。発達凸凹への活用を中心として、組織開発や教育現場での活用法を探求している。 https://www.tagayasulab.com/graphicfacilitation

京都精華大学でグラファシの授業。芸術について対話したら

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京都精華大学、発展ことば演習で、グラフィックファシリテーションの授業を持たせていただきました!

 

ことば演習の学生さんは、前期からすでに何度かグラレコについて学んでいて。授業を取りまとめておられる西本先生が「これは、学生にとって必要なコミュニケーションツールだ!」と感じられて、大学の授業の中で取り組まれるきっかけになった「描くことを通じたコミュニケーション」。

 

今回、授業の中で、実際にグラフィックファシリテーションを実演しました。テーマはこちらから決めることもできたけれど、その場に集まった学生が話したいことを話せるようにしよう、と、実演の際のテーマは、学生さんたちに自分で決めてもらうことにしました。


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終活!オカルト!死んだ後の世界!Twitterについて!と、なかなか自由なテーマが一通り出てきて、どうなるかな?と、ドキドキと楽しみにしていました。

 

そして。「芸術について」に最終的に決まりました。

 

「芸術は○○だ!」「○○か○○じゃないの?」「どっちがいいの?」と、

断定したり、白か黒のどちらか選ぼうとしたり、はっきりしなくてもどかしい気持ちがでていたり、自分自身の価値観の出る言葉がはじまりでは紡がれていました。

 

空気が変わったのは

「芸術は命をかけるものだ」

と、心の声を言葉にした男子学生の言葉が教室に響いた瞬間。

 

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そこから、一気にそれまで話していなかった子達からも、「とはいえさ…」「…うまく言葉にできないよ」「お金は汚いの?」「昔はお金を払う人がいてから生まれる芸術があったよね」「お金がないとそもそも生きていけないよ」「私はお金の枠の中でデザインすることも楽しいよ」

といった、これまで話してみたかったけど言葉になってこなかった疑問や本音が言葉になって紡がれ始めました。

 

そのあと、教室の約30人全員で、それまでの話をきいて印象的だったところ、思ったことに描き込む時間をとりました。


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この時間がわたしはとても好きで、全体の対話では話さずにじっと聞いていた子達が、対話の証人としてそこにいたことで、感じたことを一生懸命書き込みにくる。そして、声の大きかった子や、自分の持っている「○○だ!」という思い込みを抱えた子達が、自分の言葉を絵として眺めることで、視点の変換がおきる。

 

描き終えた後、この描き込みを元に、全員でもう一度対話をすることでさらにここにいる学生たちだからこそ話したいこと、気づいたことを紡ぎました。

 

時間の都合上、たった30分程度しか時間が取れなかったのですが、それでもたくさんの気づきがあったようです。

 

全体の対話の後、3人で1組で「芸術とは」をテーマにストーリーテリングトリオをしました。
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グラファシの仕事で、大人たちの会議に入るとよく「仕組みづくり」や「規則作り」に話がいきます。そこに気持ちがないと、どんな完璧な仕組みでももろく崩れてしまうので、グッと気持ちや想い、本音にとどまってもらえるように描き続けます。多いときは20枚くらい描くときもあります。

 

今回みたいに、ストレートな一人ひとりの「想い」や「価値観」が紡がれていく話を描く場に居合わせると、自分が、多くの大人たちが失ってきた大切なことの大きさに涙が出そうになります。

 

よく関西人が使う「◯◯なんちゃうかな(◯◯には話しての大切な本音が入る)。知らんけど」

という「知らんけど」の威力の大きさといったら。笑     本当に話したいことを、大切なことを、もやもやしたことにとどまることが居心地悪く感じたり、他の人に嫌がられることに感じたり、真剣な人がバカにされるかもしれないという空気を変えていきたい。その一つの手段としてグラファシはとってもパワフルです。

 

もやもやは、その人の大切な価値観に触れているからもやもやするんだし、ダメなことみたいに蓋を閉めずに、向き合える場がもっと増えたらいいなと感じています。

 

コミュニケーションスキルの一貫として「描くこと」に注目して、良いと思ってからすぐに大学の授業に導入された西本先生が本当にすごい。こういう推進力のある方がいるおかげで教育現場が変わるんだな、って感じて憧れます。

 

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来年からは、京都清華大学のことば演習の授業担当の一人として関わらせていただくことになります!錚々たる先生方の中にいれていただくので、ご縁をくださった貞國先生に感謝して、背筋を伸ばしていきたいと思います…。

行政の現場にグラフィックが浸透していく。ゆりさんにcallされて福島県郡山市へ

夕日がやけにきれいに見える時間を福島県郡山市、その後岐阜県関市で過ごしました。

 

(社)サステナビリティダイアログのゆりさんに声をかけてもらい、行政のみなさんの現場で、グラフィックを通じた研修や講座にご一緒させてもらいました。

 

 

ゆりさんとの出会い

ゆりさんは、Art of Hosting@京都府綾部のホストであり、コーラー(一番はじめに声を挙げて、この会を開きましょう。と言った人のこと) をされたときに、ステキな方だ!と出会いました。

 

sayo-dem.hatenablog.com

 

その後、福岡のじわくらに参加して、これは京都の仲間と受けたい!と思ったのがきっかけで、「ゆりさん、京都でも開催してください!」とお願いしたのをきっかけに、京都でじわくらを開催するために、私もホスト(場をつくり、もてなす側)として関わらせていただきました。そこで、ますますファンになっていったのでした。

 

sayo-dem.hatenablog.com

 

 

福島県郡山市

初めて訪れた郡山市は、想像していたよりも大きな街でした。人口約34万人で、仙台市いわき市に次いで東北地方で3番目に人口の多い都市だそうです。

 

今回、青森の三沢市で市の職員をされている真夕さんのご縁で、ゆりさんが、グラフィックを含む2日間に渡るファシリテーションの講座を開催することになりました。

 

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そこに一緒にしませんか?と声をかけていただき、グラフィックハーベスト(ざっくり言うと、講座の中の大切な学びを収穫して描いていき、場にフィードバックする役割)や、気持ちの描き方のパートを少しだけ担当させていただきました。

 

郡山市の職員のみなさんが、講座の中で、思ったことを言葉にされたり、大切な話し合いについて真剣に向き合われている姿が印象的でした。さまざまな部署の方が一緒に過ごしながら答えのない未来のことを話している感じて、壮大な場に立ち会った感覚があります。

 

ウェルカム!といった雰囲気で出迎えてくださる方、ご自身の考えや疑問を話してくれる方、感じたことを声に出してくれる方、わたしがそこに居させてもらったのはたった1日だけでしたが、ムリなく、鈴木らしく居れたのは、ゆりさんのつくる空気とここで講座を一緒につくっておられる郡山市のみなさんのおかげだな、と思いました。

 

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準備風景

 

私自身は用事があって2日間のうち1日しか携わらせていただくことできなかったのですが、研修が終わった後、グラフィックハーベスティングファシリテーションの枠を超えた、Art of H ostingの世界観に惹きこまれた方も多かったようで、また来年も!という声があがっていたようで…      もし、また郡山市におじゃまできる機会があるなら楽しみだな。と勝手に妄想中。

 

夜のおいしいご飯の時間には、女性としても働くママとしても人生の先輩であるお二人にリアルな話を聞けて、今年一番私に必要な時間だったかも。笑

 

子どもができたり、子育てに時間が必要になったり、旦那のお世話をしたりしながら、周りのことを気にかけながらも自分の夢を叶えていく姿、憧れます。

 

もやもやするのは、自分の価値観になにかが触れているから。だから、もやもやしたときは自分の大切なことを問い直すチャンス!もやもやから逃げずにもう少しここに留まろうと思った夜でした。

 

ゆりさん、真夕さん、ありがとうございました!



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11/3にゆりさんが大切な話し合いの場をホストされます。関心のある方はぜひ。

https://www.facebook.com/100000024679970/posts/2151424651535003/

11/10,11 開催 「超福祉の学校 ~障害をこえてともに学び、つくる共生社会フォーラム~」@渋谷

生きづらさを感じている人・発達凸凹の方へ〜


関心のど真ん中「発達凸凹」「対話」で、グラフィック描きます!今まで頑張ってきてよかった(p_-)

 

4月の自閉症啓発デイにも精力的に活動されていた女優の東ちづるさんや魅力的なみなさんで構成されている 一般社団法人 Get in touchさんと文部科学省の協働企画で、参加者と一緒に対話形式で進めていく企画。対話をその場で見える化していきます!

 

 

www.facebook.com

 

この季節、9月頃から体調崩し気味の方も多いんじゃないかと思います。私もちょっと今回は長かった。この前「幸せは伝染する」と教えてもらいました。案外、ちょっとした誰かの声かけや心遣いで幸せの波が生まれるのかも。東 ちづるさんの元気なエネルギー分けてもらいました^^

 

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11/10,11 開催
「超福祉の学校 ~障害をこえてともに学び、つくる共生社会フォーラム~」

渋谷キャストGF[SPACE]、
渋谷ヒカリエ8F[COURT]
主催:文部科学省
共催:特定非営利活動法人ピープルデザイン研究所
協力:一般社団法人Get in Touch、株式会社富士通ソーシャルサイエンスラボラトリ

お申込、詳細はこちらです。
http://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/1409878.htm

 

 

申し込み多数の場合も抽選なので、みなさんにチャンスがあります。東京にお住いのみなさんや、遠方の方も、ぜひご参加ください^^

ご縁を下さったしごと総研さんありがとうございます。

 

(このタイミングでOne day cafe.Tokyoを11/9の夜あたりに開催するかも… !)

 


↓発達凸凹とグラフィックについてのスライドです。
https://www.slideshare.net/decobocofuturecenter/ss-90684886

 

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右手に握ったペンから流れるように描けるようになるまでに

今年に入ってから携わったグラフィックファシリテーションを使った場の数を数えてみましたら162件でした。

 

そして、この数字よりもたくさんの回数、自分が聴いたこと、感じたこと、もやもやしたこと、悩んだことを自分のためにノートに描いていて。

 

私がグラフィックファシリテーションに出会ってから、探求したいと感じるようになったのは、記憶力が悪く、時計の時間をすぐ忘れてしまうほどの短期記憶しか持ち合わせず生きづらさを抱えてきた自分が生きていく上で、これだ!と感じたからです。そして、数少ない鈴木の特技が探求することだからです。

 

いろんな現場で描くほどに、自分と同じように描くことで安心を得られる人、よりよく生きられる感覚を掴める人に届くことが今はわくわくしています。


◯◯大学の鈴木さん、◯◯会社の鈴木さんを辞めて1年。肩書きもない、何にもないただの鈴木さよとして生きる中でも助けてくれる方はなくさんいて、それがなんだかさらに自分の励みになることを実感しました。たくさんの人に助けていただいてなんとか生きてきました。感謝しかないです。


回数を数えているのは、

両耳から入ってきた言葉が、肌が感じた熱量が、目で見た光景が、右手に握ったペンから流れるように描けるようになるまでに何回かかるのか知りたいから。(あと、心が折れそうな時に自分のことを励ませるように。笑)


もし、算数で掛け算を習ったり、音楽で音符を習ったりするみたいに、「みんなが学校で学ぶ。でも、将来使っても使わなくてもいい。でも、みんな知ってる。」みたいに、グラフィックファシリテーションが教育現場に導入される日がくるとしたら。

 

教育現場に落とし込むならどんな要素が外せないのか。極めたい人だけがやっておけばいい部分はどこか。社会の中(会社や組織)で実践するなら外してはいけないとこはどこなのか。絵はどれくらい描いたら受け入れられやすいのか。描くことは、誰かを傷つけていないか。そんなことを日々考えています。


試験管をふり、大量のデータ分析をしている方が好きだったただの理系、デザイン畑出身ではないわたしだから見つけられることがあるかもしれない?と思って続けてみました。

 


まずはマッスルリメンバー!笑

右手の筋肉が覚えるまで描いてきてみました。

 

何回も壁にぶつかりました。線すら引けなくなって、現場に行く前に助けを求めて泣きながら電話することもあったし、描き終えた後に落ち込みすぎてもう辞めよう。と思ったりもしました。批判されることはよくあります。グラフィックも万能薬ではないので、その声もありがたく受け止めてきました。(…素直に受け止めれなくて喧嘩したりしたけど笑)

 

そんなこともありながら、300回を超えたあたりから、ちょっと、何か掴めて気もしたり。正解ははないのであくまでも実証実験は続きます。


夫の事業立ち上げで富山に引っ越した時、せっかく築き上げてきた関西での土壌、友人、仕事を手放すことに落ち込んだこともありました。なんで女が合わせなあかんの。みたいな毒づいた気持ちにもなったりしました。

 

はじめての土地、何もすることのない富山の生活は苦痛だった。でも、今は、少しずつ知り合いも増えて、コワーキンスペースCOMSYOKUという場にも出会い、素敵なマネージャーや富山に住む方々との出会いが前向きな気持ちにしてくれています。

 

そんな、一年を振り返りながら。

今日、ふらりと訪れた富山市八尾の街にもまた、素敵な出会いがありました。

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ちかい未来に人前で描くのをやめてるかもしれないけれど、でも、たぶん探求することはやめない気がしています。

 

今年に入って勢いよく走り過ぎて、たくさんの豊かな場、素敵な人に出会ってきたことを収穫できずにきた気がするので、

ちょっと早いけど、ここまで受け取ったいろんな方からのギフトや知恵、感じた気持ちを、忘れる前に拾い集めて次につなげていけるように、今日から今年の振り返りをはじめたいと思います。

 

今回はその1日目。

 

 

【お時間あればお越しください♪】

 

10月、11月のグラフィックファシリテーションを活用した場をまとめてみました。

どなたでも参加できる場です^^

 

10/18  CEATEC JAPAN 2018 内Panasonicさんのブース@幕張メッセ- しごと総研の夏子さんにいただいたご縁で伺います!

http://www.news2u.net/releases/162643

 

10/21  One day cafe.kyoto@京都市伏見区

発達凸凹の?について語るcafe

発達凸凹について知らない人も知ってる人まで誰でも参加okです。メインファシリを努めます。

https://www.facebook.com/events/1915891825157030/

 

10/30 朝日町の未来について対話する@富山県朝日町 - 地域おこし協力隊の中村彩乃さんと何度も打ち合わせを重ねてきました。

https://www.facebook.com/events/2164552256948853/

 

11/2,7,28 一年の振り返り企画やグラフィックファシリテーション体験講座@富山県高岡市

-コワーキンスペースCOMSYOKU

https://www.kokuchpro.com/s/?q=COMSYOKU

 

11/3 エンスピリテッドリーダーシップ講座@京都

そうさんにお声かけいただいてお邪魔します!たくましくしなやかな私・私たちへ

https://enspi6.peatix.com/


11/4 新しい働き方会議@金沢

御祓川の岡本さんと企画中。東京からあるちゃんも駆けつけてくれます^^

 https://www.facebook.com/events/160484261522083/

 

11/11 超福祉展@渋谷

タレントの方々と発達障害など生きづらさを抱えた人との対話の場

http://www.peopledesign.or.jp/fukushi/

 

11/21 グラフィックファシリテーション体験講座@大阪  -(株)ヒューマンエイドの谷さんが企画してくださります。

https://www.kokuchpro.com/event/4a7ce10ae34a76b012479cb00653f6e9/

 

11/26 Visual Practice!@東京-OSTやワールドカフェの著者大川さんが企画してくださります。

 https://www.facebook.com/events/230062127668857/

活動進化プログラム『協創が促進していくチームが生まれるためのビジョンメイキングとは?』

京都市の企画、まちしごと総合研究所主催の、2018年度第1回目の"みんなごと"のまちづくり推進事業活動進化プログラムで、グラフィックファシリテーションをさせていただきました^^

 

講師は、今年もたくさんお世話になった安斎さん! 

 

しかもテーマが『協創が促進していくチームが生まれるためのビジョンメイキングとは?』という関心のど真ん中でした。

 

グラフィックファシリテーションをはじめてから、企業内でよく依頼をいただいていたのが「ビジョン策定」や、ビジョンを擦り合わせるような「目に見えない想い」や「いきなり言葉にしてしまうとズレが起きてくる10年後の目標」等について話す会議でした。

 

いきなり言葉だけで話し合って、文字にしてしまうと、本質的な話をできないままに、言葉尻を扱ってしまったり、文章の添削になってしまう。

 

最終的には計画書や定義書に文字として落とし込むようなことも、まず、お互いが頭の中でどんなイメージを描いているかを描くことで、そこにそれぞれの価値観が入ってきたら、微妙なズレに気づけるようになる。

 

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ということで、楽しみにしていた講座。去年に引き続き早くから満席になるほどの大人気で、マックスさんのファシリテーションで始まりました^^


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当日の安斎さんのお話しについては、まちしごと総合研究所のホームページでレポートしてくださっています!

 

machigoto.org

 

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前半は話題提供。

後半では、参加者同士での対話の時間をとりました。


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個人的には後半の参加同士の対話から生まれてきたさらなる「問い」が面白くて。

 

各グループで話された内容の発表をその場でグラフィックで描かせていただきました。


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どれも、「そうそう!そうなんだよね」と思わず言いたくなるような内容で。

 

問いを持つと、いろんな物事を見る時にそのフィルターが、働くようになって問いに関する情報が集まってくるようになるんですよね。

 

ということで、1ヶ月以上経った今でも定期的にグラフィックを見ながらこの問いについて考えている日々です。

「話の見える化を活用したサポート グラフィックファシリテーション体験講座」を10/8 広島で初開催します。

10/7に開催される「発達障害当事者会フォーラム in 広島」に合わせて、「話の見える化を活用したサポート グラフィックファシリテーション体験講座」を広島で初開催します。

 

8月に福山市で実施した対話の場 One day cafe.kyoto(凸凹future center) に40名近い方がこられて、話の見える化のサポートがあることで話しやすくなったり、安心して話せたというお話を受けて、急遽開催することになりました。

 

sayo-dem.hatenablog.com

 

話の苦手な人も描くのが苦手な人も一緒に対話できる場にするための一つの方法として。

支援者の方も、当事者の方も一緒に学びませんか?

 

何でもかんでも見える化することが良いとは思わないし、何が効果的で、誰の役にたつのか、私自身、模索中です。何が正しいかわからないですが、これまで、1対1の可視化支援は研究されてきましたが、人間の関係性の中で人が成長するとしたら、このような複数の人の中での可視化がもたらす可能性は大きいのではないのかな、と感じています。

 

生きづらさを社会のせいにせずに、自分たちから何か一歩を踏み出すエネルギーが生まれる場をつくれると感じています。
・・・分からんけど。笑 

 


もし、関心のある方がいたら、必要な方にご共有お願いします^^

https://www.kokuchpro.com/event/daccd7ec7ff00aa91451456b5682d6f6/


関西では12月に予定しています。

無作為抽出ワークショップ「未来をつなぐエコプラザ」 @東京都武蔵野市

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東京都武蔵野市環境啓発施設エコプラザ (仮称) を考える無作為抽出市民ワークショップにグラフィックファシリテーションでおじゃましてきました。

 

実は、今回、特別な思い入れがありました!

 

去年の夏、AoHで出会い、環境について話をしていた郁さんに「環境に関するワークショップだから、さよさんを思い浮かべました」と声をかけていただいていて。理系だったことが生きるこの分野で、しかも郁さんがファリシテーションを担当される中で、一緒に場づくりさせていただけることが楽しみでした。

 

sayo-dem.hatenablog.com

 

 

元々ゴミ処理場だった場を壊さずに、環境啓発施設エコプラザ (仮称) にする

 

ゴミ処理は市町村の仕事。始まりは、昭和30年。三鷹市内に建てられていた焼却場での武蔵野市三鷹市のごみの共同処理が問題となり、三鷹市民による武蔵野市のごみ搬入阻止に至りました。このことがきっかけで、武蔵野市内への焼却場設置が必要になりました。その後「ゴミ処理所をどこに建てるんだ!」とゴミ戦争と呼ばれるほどの論争に。その中で、武蔵野市では徹底した市民参加による議論が実施されてたそうです。昭和59年には、なるべく目立たないように木々に覆う形で武蔵野市クリーンセンター(今回エコプラザとしてプラットホームとして生まれ変わる場所)が建てられたというストーリーをお聞きしました。

 

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そして、今。見えるオープンな形で平成29年4月にクリーンセンター敷地内東側に新工場棟が本稼働しました。同時に、これまで使われてきた旧クリーンセンター(正確には旧事務所と旧プラットホーム)を壊すのではなく、エコプラザ(仮称)として残すことにしたそうです。

 

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かわいい模型。左側が昔からある旧クリーンセンターの一部を再利用したエコプラザ(仮称)。

右側は新しくできたクリーンセンター(とってもおしゃれ)

 

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新クリーンセンターの写真

 

 

何十年も紡がれてきた住民のみなさんの想いを残したり、想いを未来につなげる場としてプラットホームにしていこう。と、今年の2月から19回にわたって議論を重ねてこられました。

 

今回、私が関わらせていただいたのは、エコプラザ(仮称)の基本的な考え方についての意見を市民からもらいエコプラザ(仮称)で市民としてどのようなことを実現したいか、どのように関わりたいかを考えてもらう機会としての無作為抽出ワークショップでした。

 

 

無作為抽出ワークショップ

私自身、実は参加者側で無作為抽出に参加したことがあるけれど、関心のある人もない人もいる中で、必要な声、小さな声が出せる場にするのはとても難しい。と感じていました。当時、自分に自信のなかったわたしは声の大きな年配の方に気を遣ってしまい、何も話せなくてすごく居心地悪かったのを覚えています。

 

そんな経験もあり、グラフィックファシリテーションを通じて私自身がこの場で大切にしようと思ったことはこんなことです。

 

・耳障りの良いいい事ばかりだけでなく、市民の声として必要な声(ネガティブなことも含む)を受け止める雰囲気づくり

 

・市民同士が対立したり攻撃するのではなくて、ひとりの市民の声として安心して声を出せるような場への貢献

 

・グラフィックは、遠くから見る方にも見えるように大きく、そして絵を多いめに描いて、発言された方を受け止めているということがリアルタイムに伝わるようにする

 

・参加者ひとり一人の温度差だけでなく、主催者側との熱量の差を繋ぐ

 

・どんな意見が出てくるか分からない場。主催者の方の不安を減らすことは難しくても、グラフィックを描きながら相づちをうったり、参加者の声を聞きにいったり、待ったり、グラフィックの場をホールドする力を最大限活かして安心を増やす

 

・グラフィックはできるだけ自分の解釈をいれない。構造化しない。

→参加者が話したままを模造紙の上に残して、後日クリーンセンターを訪れた人も意見を言いたくなる余白を残しておく


また、お一人で来られている方が共にワークショップをする空間。

 郁さんが多様な市民が集まるファシリテーターとして場をホールドされている間、ホールドするだけでも大変なことなので、私としては、特に、進行すると共に起きてくる参加者とファシリテーターとの空気感のズレや参加者側から生まれてくる違和感を察知しながらファシリテーターに伝える役割をとらせていただき、いつもよりも参加者の輪に入って話してみたり、参加者の声をテープルの模造紙に描いて、描き方をさりげなく実演したりしました。

 

 

施設見学とワークショップ

この場は、10年間新クリーンセンターの設立に関わってこられた木村部長のお話にはじまり、そして、丁寧に参加者と向き合い言葉を選びながら10年分の想いを伝える木村部長のご挨拶で終わりました。

 

大まかなタイムラインは、ワークショップの主旨やエコプラザ(仮称)の説明、施設見学、そしてワークショップという順番でした。

 

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 クリーンセンターを見学している間も木村部長がとっても熱をこめて説明してくださりました。

 

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ゴミを撹拌している様子もみれるガラス張りの施設。


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セメントとして利用される様子も見れました。

 

 

個人的な感想として、木村部長がとっても素敵な方だった。

10年分の想いがあるからこそ伝えられることを、押し付けるでもなく、「難しいよね。」「答えがないよね」「これからもつくりながら考えていくんだよね」と市民と同じ目線にたって余白を残しながら話てくださり、なんだか応援したくなる。私はすっかりファンになっていました。

 

 

エコプラザ(仮称)はなんともたまらない廃墟感

エコプラザ(仮称)は地球温暖化を背景にごみをはじめ、資源、エネルギー、緑、水循環、生物多様性など、多様な環境啓発の拠点施設として、市内全域へと環境に配慮した行動を促す施設です。

 

エコプラザ(仮称)は旧クリーンセンターの一部を利用していて、この大空間はフリーゾーンとして活動成果、市民活動団体の企画展などを実施したり、子ども達が遊びながらエコを学んだり、廃材ワークショップや廃材ストック棚などを設置したものづくり工房ゾーンとして活用する予定。


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何もかもつくり込まれた建物が増える中で、このただただ広い大空間と自由に汚しても良い空気感。わたしは大好きでした。


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この他にも、アーカイブや市環境啓発部門やコミュニティカフェ、情報コーナー、スタディルームの設置を予定されています。

 

 

参加者の声

参加者は無作為抽出なので、普通のイベントみたいに自分の興味関心で来ている人ではなく、年齢も性別も職業もバラバラ。一人で参加する方ばかり。ワークショップにも慣れていない方がほとんどの中で、思ったことを声に出すだけでも本人にとってハードルが高い。そんな中で、一つでも安心を増やし、意見を言ってもいいんだと思える場。こういう場のワークショップにグラフィックが必要だと判断して活用してくださる郁さんと出会えたことに改めて感謝しました。

 

参加者の様子を見ながら、「参加者に声を出してもらった方がいいね」「今、場が変わってきたね」と目の前の人に寄り添いながら必要な変更をして進めていく。ワークショップ中もこまめに話しながら進行に伴走させてもらうことができました。ワークショップの後も気づいたら4時間くらい振り返っていて、現場の実践を積み重ねておられるからこその気づきにたくさんの刺激をもらってほくほくして帰りました^^


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答えを出すことが目的ではないワークショップだから「いいね、いいね。」だけでなくて、「これはどうなの?」「そもそも・・・」「・・・とはいえさ」といった声も大切だから。それが出てくる場でした。


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中学生からお孫さんのおられる方まで。多様な方が同じテーブルで話されていました。


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万能薬はない、いろんな副作用のことも考えていく必要がある中で、この短時間の中で自分ごとにしていく方が何人もいて、エコプラザ(仮称)と共に暮らしていく景色をイメージできる時間でした。


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まだまだ答えはないんだよね、と私たちに余白を見せてくださる木村部長に会いにいくだけでも意味がある気がしていたり。この余白に何が生まれていくのかとっても楽しみで、少し熱を入れて書いてしまいました。

 

あくまでも鈴木の解釈の入った文章です。偉そうな表現になっていたり、主観が入りすぎていたら申し訳ありません。グラフィックに関しても、もっともっと余白をつくれたらな、や、文字を減らせたら…等、心の中では自分のグラフィックの未熟さへの葛藤は絶えませんが、こうして実践の中での経験をすこしずつ蓄積していくことに全力を注いでいます。

 

ぜひ、直接足を運んで、自分の肌で感じてください^^

 

実は1年に2万3千人の方がすでに訪れている新クリーンセンター。

この面白さは、しばらくしたらさらに注目を浴びる気がしています。

新クリーンセンター、いつでも見学できるそうですよ。

 

施設案内 武蔵野クリーンセンター|武蔵野市公式ホームページ