大切なものをたいせつに

北極海航海に2度いくほど海が好き。 疑問に思ったことは自分の目で見て感じて確かめたい、と17歳でイギリスに1年間滞在、その後、北極海研究船に2度乗船する。メーカー勤務、大学勤務の中でその場で「話の見える化」を行うグラフィックファシリテーションと出会う。ワークショップ、講演会など、これまでに300近くの現場に携わる。発達凸凹への活用を中心として、組織開発や教育現場での活用法を探求している。 https://www.tagayasulab.com/graphicfacilitation

「話の見える化」の与える影響についての研究会@東京大学 (前編)

「ビジュアルコミュニケーションが議論にどのような影響を与えているのか?」。

 

東京大学で、安斎さんと淳子ちゃんを中心に、ミミクリデザインのみなさん、グラフィックレコーダーのみなさんと探求する機会をいただきましたー。

 

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話の見える化は万能薬じゃないし、副作用があって当然!毎回現場に入るたびに、描く人間が独りよがりにならず、場の声や、話し手が描かれたグラフィックを見てどう感じるのか、違和感はないか、気持ちにより添えているかが大切だと感じます。今回、チャレンジングな場が設定されることに、わくわくと、少しの胸のざわめきも感じながら当日を迎えました。

 

ミミクリデザインのリサーチャー青木翔子さんのブログがこの手法についてわかりやすくまとめてくださったのでシェアさせてもらいます^ ^
http://mimicrydesign.co.jp/blog/802

 

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ということで、こちらでは、わたしの徒然なる独り言を自分の覚え書きとしてゆるゆると書かせていただきますー。

 

研究会


テーマは2020年のオリンピックに向けて「食×スポーツ」でおもしろい料理店を考える。


ワークショップの島を5つつくり、そこに参加者が4名ずつ座りました。そのファシリテーターとしてグラフィック担当がそれぞれに1名ずつ入ります。(この段階で、ん?これはファシリテーションをすることになるので、ファシリテーションの基礎を学んでいないグラフィッカーには大変なことなんじゃないかな?と感じつつ…まずはやってみようと思う)

 

それぞれの島に、参加者の中から一人ずつ「観察者」が選出されました。どこで誰がどんな話をしたか。行動をしたか。模造紙を貼り替えたのはいつか。色を塗ったタイミングで、参加者にはどのような変化があったか。など、事細かに観察をしてくださりました。

 

「話の見える化」の探求の試み


ビジュアルコミュニケーター(今回はグラフィックレコーダー4名やグラフィックファシリテーション1名(でむ))のグラフィックが、場にどのように影響するのかを観察して研究するというもの。

前々から、「話の見える化」は「薬にも毒にもなる可能性があるなぁ」と感じていました。

それは、普段のグラフィックファシリテーションの仕事のときにもだし、特にOne day cafe.kyotoで発達凸凹の人を含む対話の場で特に感じていました。このあたりの気づきは、後ほど書きたいと思います。

ほとんどの場合、「いいね」と言いにきてくださる人はグラフィックによい印象を持った人。「しんどいな」「もやもやするな」と思っている方はわざわざ伝えに来ない。

というわけで、もやもやしたり、しんどいなと思うような方の意見は大切だと感じつつも、仕事として限られた時間の中で描いているとゆっくりと聞く時間もとれないし、クライアントの方を通じてそこにいる場合、参加者にあえてじっくり聞くこともできない。そんなこんなで、今回の研究会をとっても楽しみにしていました。

 

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鈴木のワークショップのプロセス

わたし自身は、今回のテーマに対して「ここに偶然あつまったこのメンバーだからこそ生み出せるアイデアを形にしたい。できれば、これまで日本で聞いたことのないアイデアのコンセプトの軸と、そのアイデアを深めるところまでいきたい」と感じました。つまり、参加者が主体的に話し合い、3人の良さを活かすアイデアを引き出すことを自分自身の目標設定にしました。

 

そこで以下の3つを意識しました。

 1.場の鏡となって盛り上がり、もやもやを模造紙に反映させる
2.ここにいる参加者だからこそのアイデアを引き出す(グラフィックにアイデアが引っ張られないように細心の注意を払う)
3.  2のために、ぎりぎりまで構造化して描かない

 

顔を上げて話し合いをしてもらいたいので、紙はホワイトボードに。今回の会場では、壁に模造紙を貼れなかったので、ホワイトボードに、模造紙を二重に貼りました。模造紙を張り替えるタイミングを利用して構造化を促したり、「あと何分ですね」とタイムキープをしました。

 

①チェックイン

まず、1時間しかないということ。そして、初めて会う3人の方をホールドするとうことで、最低限のチェックインをしました。クイックなチェックインであっても、「いまどんな気持ちなのか、不安はないか、この場に対してまず言っておきたいことはないか」を声に出しても出さなくてもいい時間を取りたいという意図です。


今の気持ちと、どんな仕事をしていて、今回のワークショップでどのようなことを貢献できそうか。紙にかいて話してもらう。

→どんな人がそこにいて、何をできるのか、何を不安に感じているのかを把握した。
紙にかかれた文字やイラストから、その方の人柄や関心を知る。

→チェックインを行うことで、今回のメンバーは、ファシリテーションを普段からされている方、アイデア出しが得意そうな方、取材を仕事にされている引き出し上手な方、も役割分担ができそうだということがわかったので、わたし自身は模造紙の余白を利用してのタイムキープと、構造化しないことで、アイデアをギリギリまで引き出すことに専念できるように見立てました。

 

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②フェーズ1
参加者のお一人が提案してくださり、今回のレストランのターゲットをペルソナで考えました。こんな人?あんな人?いやいや、こんな困りごとがある人がいいんじゃない?というあちこちに広がる話し合いを、そのまま紙に書きました。
→3人が盛り上がった部分、話の共通点にのみリアルタイムで色をつけていくスタイルで残りの絵には色をつけず話の構造化をさりげなく行いました。
→模造紙の余白があと少しになったところで、「そろそろ模造紙を張り替えたいのですが、なんとなくペルソナ固まってきましたね?」と声をかけて、参加者の3人にこれまでの対話を眺めてもらいました。

 

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そこで出てきたのが「おじさん」

→どんなおじさん?「いけてないおじさん」「意識を変えて、行動が変わるような場にしたい」と、イメージが具体的になったところで、A3の紙に描き起こして、決定事項として貼りました。

 

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③フェーズ2
レストランの内容を考える。おじさんに来てもらうには?お金がまわる仕組みは?おじさんが生き生きするには?

 

ゴールは「食×スポーツ」でおもしろい料理店を考えること。

→グラフィックを描く側としては、早く料理店の絵を描いて安心したい気持ちもあるのですが、先に絵で描くとそのイメージにつられて、斬新なアイデアやその他のアイデアが出なくなる可能性がある。時間ギリギリまでレストランの絵は描きませんでした。

→最後の最後、どんなレストランがいいか具体的なアイデアが出揃って来たところ(残り10分ぐらい)で、レストランの絵を描いた…とたんに、急き立てるように、参加者のみなさんから、これまででたアイデアが統合されたり、選別されたりして、わっ!と、描けるような形で出て来ました。

 

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ワークショップの振り返り

 

安斎さんの言葉をお借りすると、キャンプファイア話のようにわっとエネルギーが高くなった状態で続いた1時間。グラフィックを描いていると、参加者の熱量がはじめから上がることが常日頃なので、とても新鮮なキーワードをいただきました^ ^

 

ということで、ワークショップを事細かに観察してくださった観察者の方の観察シートを見ながら、1時間の振り返りを行いました。

 

ガラスのハートが砕けそうな(?)フィードバックもたくさんいただいたので、詳しくは次に書きたいと思います。