大切なものをたいせつに

北極海航海に2度いくほど海が好き。 疑問に思ったことは自分の目で見て感じて確かめたい、と17歳でイギリスに1年間滞在、その後、北極海研究船に2度乗船する。メーカー勤務、大学勤務の中でその場で「話の見える化」を行うグラフィックファシリテーションと出会う。会議、ワークショップ、講演会、教育現場等、これまでに500以上のの現場に携わる。発達凸凹への活用を中心として、組織開発や教育現場での活用法を探求している。 https://www.tagayasulab.com/graphicfacilitation

グラファシを活用した八尾市産業振興会議がはじまりました

昨年、八尾市の事業、みせるばやおができるまでのプロジェクトに半年間伴走させていただきました。

 

ものづくりのワザを魅せる場ーみせるばやお。ものづくり体験ワークショップを通じて 「誰もが、いつでも、気軽に、クリエイティブを」感じることができる空間です。

 

sayo-dem.hatenablog.com

 

半年間八尾市に通ったこの出会いがきっかけで、今年からは、2年間かけて進める産業振興会議でグラファシを活用した対話の場に携わらせていただくことになりました。今回の第2回産業振興会議では全体の進行を担当させていただきました。

 

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平成10年に設立された産業振興会議

 

八尾市では、中小企業支援の進め方についての意見を聴くために、「八尾市産業振興会議」を設けています。産業振興会議は、市内の商工業者や市民、学識経験者などで構成されていて、市民や事業者の声、社会や経済の全体的な動きなどを踏まえながら、施策の充実や中小企業地域経済振興基本条例の理念および総合計画の目標の実現を図ります。

 

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ロの字の机レイアウトにマイクを回しながら議論を進めてこられた会議を、より、委員の方々が話しやすく、専門的な知見や意見を生かせられるようにと、今年から大きく変えていこうと決めた八尾市の担当者のみなさん。本当に先進的だと感じると同時に、参加者にはワークショップの経験がない方も多く、しっかりと場をホールドするためにこれまでの体験や事例を総動員しています。

 

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正解のない未来のまちを想像しながら、産業振興をどのように進けばいいか。

 

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模造紙の前で対話したり、対話のプロセスを眺めたり、自ら模造紙に書き込みながら立って対話したり。今回も、問いを3つ立て、それぞれについて模造紙の前で椅子だけ持って集まり、対話を模造紙に描いて行きました。途中からは、話した内容について全体を俯瞰しながら、さらに気づきをかき込んだり、話の繋がりに矢印を引きながら、ひとり一人の中にある考えや価値観を共有しました。

 

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誰が話したかではなく何を話したか
誰が話したかではなく何を話したかを描いていくことで、自分自身の発した言葉が客観的にみれたり、他の人が話したことが自分ごとになったり。10年後の未来に何が正しい、間違っているという答えはないので、難しい。でも難しからといってシンプルにエイやってしてしまってはトランプさんみたいにメ「じゃ、とりあえずキシコとの間に壁を建てよう!」みたいなことになっていまうかもしれない。


今回だけでなく、これまでグラフィックを活用する場で感じてきたのは、批判的に聞こえる言葉でも、一度模造紙に描くことで、人を攻撃するのではなく、場の声として扱われて、違う視点が生まれてきたり、炎上しそうな発言が出てきても、模造紙に一度描かれることで、発言者が「受け止められた」と感じやすく、自ら考えを変えていったりする。何度もこういう場を経験していると、ただ「描く」という行為そのものがそこにいる人の関係性の質をよりよくしていっていると感じます。万能薬ではないので、必ずはじめに「見ても見なくてもいいです。自分のタイミングで活用しでください」と伝えることも忘れない。


ただ、残念ながらこういう見えない変化は測れないし、グラフィックのある時とない時を比較できないので、証明できない…


でも、見方を変えると、証明できない中でもそのパワフルさを感じ取ってグラフィックを活用する場が増えていることはすごいことかもしれないな。

 

話がそれてしまいましたが…

 

まずは無事に?第2回目を終えられたこと、八尾市のみなさん、委員のみなさん、忽那座長、池本副座長に本当に感謝しています!

 

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