第4回JIDA関西デザインフォーラム「不便益とは」
第4回JIDA関西デザインフォーラム「不便益とは」に参加してきました。
講師は京都大学デザイン学ユニットの教授 川上浩司先生
主催者の竹綱さんが、コクヨの大先輩というご縁で、グラフィックファシリテーション担当で入らせていただきました。
「不便益」ってなんだろう。と調べてみて、これは!!と思いました。
昔から、電車に乗らずに二駅歩いたり、手間がかかる方を選ぶのが好きだった私にとって、興味津々の内容。
そして、会場の共感度もとっても高い時間でした。
「こんな便利でいいの?って、みなさん思いません?」
便利な世の中に対して、もう一回よくよく考えてみようよ、という竹綱さんの冒頭挨拶からはじまりました。
「不便」の定義って?
不便の定義って、手間がかかる・頭を使わなければならない でしょうか。
甘ぐりむいちゃいました と 練る練るね〜るね
もしも、練る練るね〜るね が
練られた状態で販売されていたら、うれしい???
自動運転で何もしなくてイイドライブって楽しい??
やっぱりBe a Driver
普段電車で移動する道を、あえて歩くことで、気づくことがあったり
安宿に泊まることで、共有スペースでの出会いがあったりする。
手間がかかることに喜びや発見がある。
よく、遠足のお菓子は300円まで。
という制限があって、
「えーーー」なんて言っていたけれど、
無制限だったら、なんでも買えるから
気にせずホイホイ買えちゃって
慎重に選ばなくなっちゃう。
300円という制限があるから
モノの価値があがる。
こんな風に、不便であることでいいことがあるよね、というお話し。
・機会の拡大
・能動的な工夫がUP
・可視性UP
・モチベーションUP
そしたら、昔に戻れってこと?
前半の話を聞いていると、それって、
ポジティブシンキング?
ノスタルジー??
エコ運動???
と思いそうになる。
そうじゃないんです。
バリアアリーのように、
わざと頭や体を使うような設備になっている施設があったり
わざと足元がデコボコして、子供たちがこけそうになるような園庭をつくる園長がいたり
足で漕ぐ車椅子があったり。
なんでもやってくれる至れりつくせりでは筋肉が衰えるので、頭や体を使って自然とトレーニングできる施設。
わざと足元がデコボコしていることで、こけまいと子供達が生き生きする幼稚園。
自分で漕ぐしくみになっていることで、足を動かす習慣が身につく車椅子。
どれも、不便にすることによって、良いことが起きている例です。
いろんなことを意識して見始めると、便利のおしつけによって、失われたものがある気がしてきます。
グラフィックファシリテーション
不便益ってイイな!
ってますます気になり始めました。
会場に講演の内容をフィードバックした後
「話したことを、わざわざ手間をかけて手描きで描くグラフィックファシリテーションも不便益でしょうか」
と川上先生に聞いてみました。
「ほんとに、そうだね。」
映像や録音などのテクノロジーの進歩で便利なものがあるけれど
わざわざ紙とペンを使って描く。
そこに価値を生み出してるんだよな、とわくわくしました。
急に緊張
今回、機会をいただいたものの、模造紙の前に立って、タイトルを描き終えたくらいに気づいたのが、
「はっ!今日の会場にはデザインのプロの方々や先生がたくさんおられるんだ…」
という事実。
そんな会場で、2年前にはイラストも描いたことのなかった人間がグラフィックファシリテーションして大丈夫なんだろうか。
もしかして、みんなめっちゃ怒ったりして。
と、ドキドキしながら、ひとまずそれは置いておいてグラフィックに集中。
そんな心配はどこへやら。
懇親会では、デザイナーの方、大学の先生方からたくさんのフィードバックをいただきました!
レイアウトのことや、デザインのこと。
歴史や、今注目されているモノ、コト。
あと、ペンについてはものすごくみなさん関心を持ってくださりマニアックな話や、いろんなペンも紹介していただけて
本当にありがたい時間でした。
ドイツのメーカーのnueldndのぺん、どなたか輸入してくれないかなぁ。
制限があるからおもしろいこと
手間をかけるから気づけること
遠回りするところにある出会い
いろんなところに価値を見いだし続けられる人でいたいなと思いました!
川上先生、竹綱さん、JIDA関西デザインフォーラムのみなさま、素敵な時間をありがとうございました!