Visual thinking Book #01
今年に入って、一般の方だけでなく、大学や高校の先生方に向けて
グラフィックファシリテーションについてお伝えする機会をいただくようになってきました。
はじめは独学で、とにかくグラフィックを描きながら何ができるか
どんな活用ができるか、何が大切かを探りながら、肌感覚で進めてきましたが
だんだんと自分なりに感覚がつかめてくると、日本や世界の先人のみなさんがどのような考えでグラフィックファシリテーションなどの「見える化」を活用してきたのか、改めて学びたくなってきました。
去年はフランスで初めて開催されたファシリテーショングラフィック大会に参加してみたり、NHKで描いておられる夏子さんのプロコース0期生として東京に通ったり。
大切なのは描いた「絵」ではなくて、その場にいる人に寄り添うこと。寄り添うために、事前の勉強や目的・課題の見立てを正しくできるようになる必要性を感じるようになっていました。
目的が「対話の活性化」であれば、対話を活性化するために必要な見えない想いや価値観を模造紙の上に紡がないといけないし、「アイデア出し」であれば、否定する言葉がでないようにファシリテーションしながら、テンポよく次々とアイデアが出るように早く描いて行く。本音を引き出して、腹を割って話せる時間にする必要があれば、プログラムデザインも工夫して、とことんその場にいる人と向き合う設計にしないと行けない。
どれもとっても難しくて、簡単ではないけれど、本気で向き合うのは楽しいです。
今、日本には、グラフィックレコーディングとかグラフィックファシリテーションとかファシリテーショングラフィックとか、ビジュアルファシリテーションとかいろいろな呼び方がありすが、この前フランスからやってきたMarieと話していて、しっくりする概念「Visual thinking」と出会えたので、現時点でそれを大切にしていきたいと感じています。
時代の流れと共に必要とされる考え方も技術も変わってくるから、必要とするみんなで考えていきたい。そうしていろんな分野の様々な年代の人たちの間で起きる化学反応の中で、自分自身の内側の多様性も育てて行きたいし、人との関係性の中で成長していきたい。そう感じている人間なので、いつか出会う誰かと話すときに、今の気持ちをすっかり忘れていたとしても(笑)読み返せるように、私なりに現時点で感じていることを残して行けたらな、と思います。
【Visual thinking Book #01】
いただきものの英語版。とっても気に入っていて、大切にしていました。
そういえば、日本語版をもっていなかったと気づき、最近入手。
アイデアと成果を生む「チーム会議」という切り口から「見える化」について分かりやすく書いています。
ビジュアルミーティングのメリット
①参加意識を向上させられる
②全体の関係性が把握できる
③記憶が共有化される
④属人性が消せる
この中でも、わたしが好きなのは④。
メーカー勤務時代、会議で部長や役職の方が話すと、みんなうんうんうなずいてみたりする。でも、日本人は、その人の属性に意見が左右されがちなのはとってももったいないと思うのです。
だから、「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」を模造紙の上に描いていく。
グラフィックファシリテーションに必要な考え方や、さらに上の概念ビジュアルシンキングの概念の中で、チームビルディングの方法や、コラージュ、フレームワークまで様々に網羅して書いてくれている、目的に合わせた手法を知りたい人におすすめの一冊です。