大切なものをたいせつに

北極海航海に2度いくほど海が好き。 疑問に思ったことは自分の目で見て感じて確かめたい、と17歳でイギリスに1年間滞在、その後、北極海研究船に2度乗船する。メーカー勤務、大学勤務の中でその場で「話の見える化」を行うグラフィックファシリテーションと出会う。会議、ワークショップ、講演会、教育現場等、これまでに500以上のの現場に携わる。発達凸凹への活用を中心として、組織開発や教育現場での活用法を探求している。 https://www.tagayasulab.com/graphicfacilitation

初心にかえる。ゼロからのスタート

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高岡市のEフェスタ

今日は富山県高岡市のEフェスタ。

1週間続いたフェスタの最終日!

 

ここのメインの基調講演で、きっしー☆さんとグラフィックファシリテーションをしました。


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ゼロからグラフィックの価値やら活用方法を伝えていく日々のはじまり

 

会場からも声が上がっていましたが、富山の方は自称「保守的」だとのこと。

 

グラフィックを導入する場合も、海のものとも山のものともわからないものを活用するにはハードルが高い!当然ですよね。

 

明石で「なんだかよくわからないけれど、この話の見える化する技術は大学のアクティブラーニングで役立ちそうだ!まずは私が描けるようにならなきゃ!」と、グラフィックに出会ったばかりの当初、「あやしいものではないんです。場をよりよくするためにグラフィックを描きたくて、良ければ描かせていただけませんか…。や、絶対にイベントのじゃまはしません。本当に。部屋の隅っこで模造紙を貼るだけですから…」(じわじわ…)

と、いろんなイベントや企画、研修や学会でお願いしてまわったのを思い出しました。

 

今回、きっしーさんが、丁寧に交渉してグラフィックを活用する場づくりを実現しました!本当にすごいことだなぁと感じつつ…

高岡市で一歩前進。

 

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といっても、対話の時間をつくったり、アイスブレイクをしたり、模造紙の前で対話を深めたり。いつものように目的に合わせたグラフィックを活用したプロセスデザインを提案するようなことまではまだまだ時間がかかりそうで、ほとんど今日はグラフィックレコーディング。少しだけ、久しぶりに描き始めた当初の悲しい気持ちも思い出しました。

 

ちょこっとプログラムを変えるだけで会場がもっと良くなるのに。講演者だけじゃなく、ここに座っている参加者にもたくさんの豊かな想いがあるのに…

 

目の前に少し手を伸ばせば変えられそうなことがあっても、主催者と事前に擦り合わせなければ不安にさせてしまっては意味がないし、私たちに今回できたのは目的や場に起こりそうな場の声を見立てて、会場に全神経を研ぎ澄まして、必要な声を模造紙の上に残すこと。

 

もどかしい気持ちも抱えつつ、富山に来て、この土地で、また、グラフィックの活用法やプロサスデザインの説明をしながら、価値を届ける日々が、ゼロから始まることを実感しました。みんなより良い社会にするために良い場をつくりたい。でも、その方法を知らないだけ。そして、その時、その場にいる人でつくられる空間は同じものはないから、正解はなくて。試行錯誤し続けるしかない。わたし自身わからないことだらけです。

 

 

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今回の基調講演

テーマがなかなかエッジのきいていました。

会場に20〜30代の人は数人いるかいないか。

参加者は元気な年配の方々でした。

「女性活躍できない…」のが前提なのか?!と反応する心と向き合いつつ、まずは心をリセット。

 

講演をしてくださった森屋さんは大阪の茨木市から来られた方で、女性が活躍するためにご自身でバックアップスクールを設立して社会問題に立ち向かっておられるエネルギッシュな方でした。


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後半のパネルディスカッション

 

今回、テーマが「女性の活躍」ということで、個人的な事前の見立てでは、おそらく価値観の違いによるさまざまな意見が飛び交うと予測していました。活躍の定義もないし、今回の活躍が何を指すのか、そもそも活躍って何なのか、どの場面での活躍を指すのか、また、女性が活躍できてない前提のこの言葉から、女性を応援する人もいれば、女性ばかり取り上げることに反対極の声も出てくるだろうという見立て。みんな同じように「よりよくしたい」けれど、見る角度や考え方のものさしが違うだけ。

 

おそらく、場が炎上したり、マイノリティな意見を言う人が現れたりするときに、いつもなら場が冷めることがあるとしても、そこでこそ、グラフィックでホールドしようと思いました。


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後半のパネルディスカッションはきっしーさんがメインで会場をホールドしてくれました。わたしはそのサポートに。グラフィックがあるときとないときの比較ができないので残念なのですが、もうすぐ400近くの現場に携わるところまで来て感じるのは、会場から活発な質問が出てくることや、普段なら場が冷めるような批判的な意見がでても、そこに対して、「そうだね、いろんな考え方がある」と前に進み続けられるのは、目に見える形で受け止めるグラフィックがあることが一つの良い効果をもたらしていると思うのです。

 

うまく言えないけれど、地震が目には見えないけれど確かに振動として伝わったりエネルギーとして大きな影響を及ぼすように、人が集まった時に場から生まれるエネルギーってパワフルで。

 

そのエネルギーを受け止める器がないとどうなるか….。炎上したり人と人がぶつかったり、誰かに攻撃的に当たったり、混乱が起きたり。そんな時に、見えないエネルギーを模造紙の上に受け取って描くというのは、結構理にかなったホールドの仕方なんじゃないかな。と。

正解のない話し合いや、多様な価値観が混在するときには特に。うーん。うまく言葉にできないです。


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グラフィックは高岡駅前のウィング・ウィング高岡6F、高岡市男女平等推進センターに貼り出されています。

 

貼るところが見つからなくて、高岡市男女平等推進センター年表の上に貼らせていただくというなんとも恐れ多い…

主催者の一人であるきっしーさんがいてこその実現です。

 

今日来れなかった人や、対話が生まれたり、ここで生まれた問いを思い出したりする場になればいいなぁ。