コミュニケーション哲学 〜福島県の災害を振り返って〜
コミュニケーション哲学
〜福島県の災害を振り返って〜
東京医科歯科大学で開催された、コミュニケーション哲学の企画。講演者は越智小枝先生、主催者のチーム コテツ初の企画によんでいただきました。
代表の岡田先生とは、北海道大学 科学コミュニケーター養成事業でスタッフとして勤務していた時代にお会いしました。高校教諭をされているはずなのですが・・・
いつも、日本全国を飛び回られている多忙ぶり。
今日はどこを飛び回られているかFacebookで確認するのが楽しみな今日この頃。笑
そんな岡田先生にご縁をいただいて、今回、チームコテツのちょりさんや大学生の押久保さん、高校生のみなさんと企画に携わらせていただきました。
事実ではなく、奥行きを知ってほしい
小枝先生は、科学コミュニケーションにおける「対話」をとても大切にされていました。
なぜ対話をするのか?
◯伝えたい人が学ぶため
◯知りたい人が考えるため
◯無関心な人に知りたくなってもらうため
歴史の負の遺産を、私たちはどのように正の遺産にしていくのか。
事実は、科学的な面だけでなく、社会的な面ももっています。だから、科学コミュニケーションは正確な情報を伝えることが大切なのではなく、個人の経験などのバックグラウンドを含めて大切にする必要があります。
私たちは何と戦っているんだろう?
風評被害。実際は、放射線で亡くなる人よりも糖尿病で亡くなる人の方が多いし、非計画な非難による多大なストレスで生存率が下がっていることもわかっています。また、避難区域外の逃げ遅れの問題や避難以前に、物資がなくなって自宅で衰弱死する高齢者の問題もあります。
大きくは取り上げられませんが、医療機関で働くのは8-9割が女性なので、災害が起こると子供を守るための行動にでたり、夫の仕事で住まいを外に移動したり、医療崩壊が起きているのは明らかです。放射能の被害よりも原発事故で起きた健康被害の方がはるかに大きい。
けれども、これらは、災害が起きる前からあった問題で、災害によって顕在化したに過ぎないです。
大災害後には負の連鎖がはじまるのは目に見えている。
それは全世界の被災地に共通していること。
多くの災害を経験してきたわたしたちは
悪循環を止められるはず。
政府は迅速な対応を
研究者はすぐに正確な情報を提供を。
迅速に悪循環をとめて、
つまり、災害復興はまちづくりのチャンスなのです。
未来の災害に向けて
災害をきっかけに、支援職につく人もいます。災害を経験したからわかることがあります。
弱者の見える化や災害前の健康促進、逃げ遅れの対策…
災害時には教養が必要になるので、論理力や想像力、思考の幅を広げることは、今すぐにでも鍛えておくほうがいい。
災害は世界中で起きている。
経験したからこそ知れること、伝えられること。
知識から知恵へと普遍化していくことが求められています。それは単純化ではなく、深くひろく知恵にしていくことが必要になります。
わたしたちは問い続けるために、敵を知るだけでなく、己を知ることが大切です。
小枝先生のお話を聞いて
向き合うことがしんどいと思いがちなこともきちんと話してくださったこと、そして、そのことを受け止めた上で、災害をチャンスと言い切られる強さを感じました。
そして、真正面から向き合ってきた方なんだなと感じました。
グラフィックファシリテーション担当からのフィードバックの時には、そのことを伝えて、会場から疑問や気づきの付箋紙を出してもらいました。
そこででた内容については、グラフィックを確認していただければと思います。
コテツのプログラムでは、その後、QFT(質問づくりのワーク)を行い、福島に対して問いを立てました。
そして、グラフィックファシリテーションミニ講座を行って、その日1日の気づきをグラフィックとして共有してもらうという新しい試みを行いました。
とても面白い問い、気づきがたくさん出ていたので、詳しくはコテツのページへ。
https://m.facebook.com/319146118555943/
私自身は「私たちに残ることって何」ってすごくシンプルで、胸に刺さる問いだと感じました。
私たちは何を終わらせて、
何を大切にして、
何を残すのだろう。
第4回JIDA関西デザインフォーラム「不便益とは」
第4回JIDA関西デザインフォーラム「不便益とは」に参加してきました。
講師は京都大学デザイン学ユニットの教授 川上浩司先生
主催者の竹綱さんが、コクヨの大先輩というご縁で、グラフィックファシリテーション担当で入らせていただきました。
「不便益」ってなんだろう。と調べてみて、これは!!と思いました。
昔から、電車に乗らずに二駅歩いたり、手間がかかる方を選ぶのが好きだった私にとって、興味津々の内容。
そして、会場の共感度もとっても高い時間でした。
「こんな便利でいいの?って、みなさん思いません?」
便利な世の中に対して、もう一回よくよく考えてみようよ、という竹綱さんの冒頭挨拶からはじまりました。
「不便」の定義って?
不便の定義って、手間がかかる・頭を使わなければならない でしょうか。
甘ぐりむいちゃいました と 練る練るね〜るね
もしも、練る練るね〜るね が
練られた状態で販売されていたら、うれしい???
自動運転で何もしなくてイイドライブって楽しい??
やっぱりBe a Driver
普段電車で移動する道を、あえて歩くことで、気づくことがあったり
安宿に泊まることで、共有スペースでの出会いがあったりする。
手間がかかることに喜びや発見がある。
よく、遠足のお菓子は300円まで。
という制限があって、
「えーーー」なんて言っていたけれど、
無制限だったら、なんでも買えるから
気にせずホイホイ買えちゃって
慎重に選ばなくなっちゃう。
300円という制限があるから
モノの価値があがる。
こんな風に、不便であることでいいことがあるよね、というお話し。
・機会の拡大
・能動的な工夫がUP
・可視性UP
・モチベーションUP
そしたら、昔に戻れってこと?
前半の話を聞いていると、それって、
ポジティブシンキング?
ノスタルジー??
エコ運動???
と思いそうになる。
そうじゃないんです。
バリアアリーのように、
わざと頭や体を使うような設備になっている施設があったり
わざと足元がデコボコして、子供たちがこけそうになるような園庭をつくる園長がいたり
足で漕ぐ車椅子があったり。
なんでもやってくれる至れりつくせりでは筋肉が衰えるので、頭や体を使って自然とトレーニングできる施設。
わざと足元がデコボコしていることで、こけまいと子供達が生き生きする幼稚園。
自分で漕ぐしくみになっていることで、足を動かす習慣が身につく車椅子。
どれも、不便にすることによって、良いことが起きている例です。
いろんなことを意識して見始めると、便利のおしつけによって、失われたものがある気がしてきます。
グラフィックファシリテーション
不便益ってイイな!
ってますます気になり始めました。
会場に講演の内容をフィードバックした後
「話したことを、わざわざ手間をかけて手描きで描くグラフィックファシリテーションも不便益でしょうか」
と川上先生に聞いてみました。
「ほんとに、そうだね。」
映像や録音などのテクノロジーの進歩で便利なものがあるけれど
わざわざ紙とペンを使って描く。
そこに価値を生み出してるんだよな、とわくわくしました。
急に緊張
今回、機会をいただいたものの、模造紙の前に立って、タイトルを描き終えたくらいに気づいたのが、
「はっ!今日の会場にはデザインのプロの方々や先生がたくさんおられるんだ…」
という事実。
そんな会場で、2年前にはイラストも描いたことのなかった人間がグラフィックファシリテーションして大丈夫なんだろうか。
もしかして、みんなめっちゃ怒ったりして。
と、ドキドキしながら、ひとまずそれは置いておいてグラフィックに集中。
そんな心配はどこへやら。
懇親会では、デザイナーの方、大学の先生方からたくさんのフィードバックをいただきました!
レイアウトのことや、デザインのこと。
歴史や、今注目されているモノ、コト。
あと、ペンについてはものすごくみなさん関心を持ってくださりマニアックな話や、いろんなペンも紹介していただけて
本当にありがたい時間でした。
ドイツのメーカーのnueldndのぺん、どなたか輸入してくれないかなぁ。
制限があるからおもしろいこと
手間をかけるから気づけること
遠回りするところにある出会い
いろんなところに価値を見いだし続けられる人でいたいなと思いました!
川上先生、竹綱さん、JIDA関西デザインフォーラムのみなさま、素敵な時間をありがとうございました!
CODE for JAPANに参加 〜グラフィックが台湾へ渡る〜
出会った時からお世話になりっぱなしのナミねえさんに声をかけてもらい
CODE for JAPANのグラフィックレコーディングチームとして参加してきました。
よくSNSのタイムラインで流れてくる、楽しそうな活動の様子に、どんな人たちなんだろうなぁと気になっていて。
ついにやってきた今回のご縁。
ま、まさかおそろのTシャツなんて着ちゃったりするのかな?!
とわくわくしていたら、
出た!大阪のおばちゃんもびっくりなカラフルなTシャツ。笑
しかし、思いのほかみんなで着るこのカラフルさがしっくりきたのは歳のせい・・・?
CODE for JAPAN SUMMIT
2017年9月23日、24日
兵庫県神戸市しあわせの村
https://summit2017.code4japan.org/
テーマ BORDERLESS
なんて平和な場所なんだろう。しあわせの村
Code for Japan とは
市民と行政の新しい協働の形を提供する Code for America という米国組織の活動に共感を受け、日本版のプログラムを開始する為に生まれました。テクノロジーを活用し、これからの社会に必要な公共サービスを、市民と様々な業界や分野のプロフェッショナルの人たちと共に作り上げていきます。
…
行政と民間、エンジニアと非エンジニア、障がいの有無、都市と地方、自分と他人など、世の中には様々な境界が存在します。
一方、社会課題や組織課題は様々な要素が複雑に絡み合っており、単一の組織や考え方では解決できません。
Code for Japan Summit 2017では
『 BORDERLESS 』をテーマに
組織や既成概念を越えて様々な人や組織が協創する可能性を探ります。
webサイトより
…
ちなみに、テーマカラーはレインボー!
描くたびに、レインボーって何本ペン使って色塗るんだ?!と、ある意味楽しく毎回レインボーカラーで描いていました。
グラフィッカー泣かせのレインボー!笑
玉さん作のステキすぎるオープニングのグラレコ!!
プログラム内容
のべ700名の参加者!
50ものセッションが二日間で開催されました。
海外からのゲスト講演や、ワークショップ、各地の取り組み紹介など、内容も多岐にわたりました。
でむが担当したセッション
■基調セッション
海外ゲストによる海外事例紹介
Civic Hackers Uprising - Wu, Min Hsuan (ttcat)
名古屋さん、アオナミさん、有廣さん、でむチーム
https://hackmd.io/s/HJwGKTlob#civic-hackers-uprising-wu-min-hsuan-ttcat
■地域のBorderlessなコミュニティづくりから、強く楽しいまちづくりを考えよう
玉さん、でむ、遠藤さん担当
参加者からのアイデアスケッチ
グラレコの影響を受けて、イラストで描く方も。
https://summit2017.code4japan.org/session/disaster-prevention/
■International Roundtable - How we can collaborate with other countries
海外ゲストを囲んだ英語のみのセッション
名古屋さん、アオナミさん、有廣さん、和波さん、でむチーム
https://hackmd.io/s/B1PmHlfiZ#international-roundtable-how-we-can-collaborate-with-other-countries
■ブリゲードLT
全国各地の取り組みを紹介!
5分間という短い時間に込められた熱い想いをグラレコに。個人的にはこのセッション、大好きです。
あやねちゃん、でむ担当
https://summit2017.code4japan.org/session/brigade-lt/
■地域コミュニティをITがつなぐ、まちづくり
https://summit2017.code4japan.org/session/local-community/
玉さん、でむ担当
グラフィック、台湾へゆく
今回、チームでグラフィックレコーディングを担当する機会を2度いただきました。
2度とも英語のグラレコでした。
グラフィックは描く人の個性がでるので
チームで描くことには少し抵抗がありました。
チームの中で、
自分が描く担当になったとして
チームメンバーが拾いたい言葉に寄り添って残せるか。
キーワードを拾う担当になったとして
描く仲間の邪魔にならないように、また、参加者の雰囲気を壊さずに会場に寄り添えるか。
サポートに回ったとして
描く仲間の想いを大切にしながら、構造化や色つけをできるだろうか。
考え出したらきりがなくて。
でも、今回、不安や期待も含めて共有できる仲間が4人集まり、挑戦することができました!
英語の方は、なんとかなるだろうなという思いもありつつ
英語でのグラレコは、一人でノートに描くことはあっても大勢の前で模造紙に描くのは初めてで。
わくわくとドキドキが複雑に混じり合う中、当日を迎えました。
社会運動家で有名なTtCATさんのお話は
直前まで日本語での通訳が入るか入らないかが主催者側も明確でなく、どきどき。
なごやんが「頑張ろうね!」と声をかけてくださり、「そうだ、この場に一生懸命全力でいること。感じること。描くこと。が大切なんだ」と、大切なことを思い出しすことができて、背筋を伸ばして挑みました。
グラレコは、神戸のナミさんとありちゃんとなごやんの4人のチーム体制で行いました。
最終的には、日本語の同時通訳が入りましたが
ただでさえグラフィックを描く際に緊張する中、なかなかスリルのある時間だったことは間違いないです。
ナミさん、なごやん、ありちゃんがスマートな頭脳をつかって素早く英語のキーワードを拾って付箋紙に書いてくださり
そのキーワードを構造化してその場でグラフィックに描いていく。
TtCATさんは、話の内容がとてもテンポ良くて、勢いのある人柄が特徴的で
その熱量が少しでもこめられたらと、勢いよく描くことにしました。
完成したグラフィックはと言うと、、
ご本人がとっても喜んでくださり、
なんと、台湾に持って帰られました!
うれしかったのは「beutiful」ではなく、「That's amazing and powerful what you have done!」と言ってもらったこと。
成果物としてではなく、その場を表現するものとして、描くことに挑む姿勢も含めて喜んで捉もらえた気がしました。
台湾へ旅立ったグラフィックと
みんなで精魂込めて描いたグラフィックを大切にしてもらえるのは涙が出るくらい嬉しいことで。
チームメンバーと一緒に、今回の英語での挑戦に手応えを感じれた瞬間でした。
そして、2日目の朝に迎えた International Roundtable 。
海外ゲストを囲む、英語のみの通訳なしのディスカッションのセッション
この日も、ナミさん、ありちゃん、そしてなごやん、和波さんとチームとしてのグラフィックレコーディングを行いました。
英語での熱い対話が繰り広げられる中、ナミさん、なごやん、和波さんが総戦力でキーワードを拾ってくださり、わたしとありちゃんで、キーワードを描いた付箋紙を取捨選択して構造化して描くという流れで行いました。
とにかくその場に全力でいること。
一生懸命であること。
体のすべてを張りめぐらせて、場を感じて、その場を良い場にするんだという気持ちであり続けること。
でも、場の空気を大切に和やかでいること。
英語のみのセッションだったので、どのくらい話の流れをつかめるか不安もありましたが、
グラフィックを描く過程自体が会場のみなさんの励みになっていた感覚があり
完成したものを「きれいだね」ではなく「パワフルだね」と、見た目でなく身体で受け取ってもらえたことが一番よかった。
チームで描くことの強みと、無限大の可能性を感じられた時間。
来年の世界大会に向けて、英語もしっかり鍛えていきたいと、フツフツ気持ちが沸き立ってきました。
二日間を通じて再確認したこと
グラフィックを通じて、講演者の方に寄り添えたり、主催者の方とともに場をつくれるこの瞬間がわたしは好きです。
自分自身がワークショップや場づくりのファシリテーションをしているからこそ、場の雰囲気が動くこの場に、グラフィッカーとして特等席で関われることの喜びは人一倍で。
そして、今回は、チームで挑むということに初めて挑戦しました。
しかも、日本人が壁に感じることの多い言語を越えたグラフィック。
グラフィックの可能性が広がりました。
わたしにとってグラフィックは、
人を大切にするために、
本音を引き出すために
その場にいる方が次の一歩を踏み出すきっかけを手にするために
そして、その瞬間瞬間に、心から関わるための大切なツールなんだなぁと改めて思いました。
どんな場にしたいか。
参加者にどのようになって帰ってほしいか。
相互的なコミュニケーションを生みだすために、どのようなプログラムにするか。
こんなことを考えるのが楽しい。
そしてもう一つ。
チームを信頼することで可能性が無限大だということも知ることができました。
まだまだ、場づくりについても学ぶことも考えていくこともたくさんあって、やりたいのはグラフィックな訳ではなく、その先の活用だな。と改めて感じました。
発達障害の子どもも大人も、対話を可視化することで、理解やコミュニケーションが格段に変わります。
でも、そのことはまだ社会にあまり知られていない。
わたしにできることは少ないけれど
この二日間の想いを大切にして、仲間を募りながらこれからの長い道のりに挑んでいく勇気をもらった時間でした。
最後に
700名もの方が参加したCODE for JAPANで、19名のグラレコチームをまとめるのは本当に大変なことだと思います。
グラフィッカーがのびのびと描けるように。
そして、一人ひとりが自分で考えて行動したり、挑戦したりできるのりしろのある環境をつくってくださった小野さん、なごやん、そして、三澤さんに感謝です。
学びでいっぱいの2日間、偶然集まったこのメンバーには、ここで出会った意味があると感じています。
一緒にこの空間を過ごせたことに感謝して。
ここで出会った方々にも、いつもグラフィックを応援してくださっているみなさんにも感謝しています。
ありがとうございました!
シェフェスタ 食文化プログラム「はじまりの奈良」でグラフィックレコーディング
育ったまち、奈良でグラフィックレコーディングでした。
約200名の参加者
講演会の後、グラフィック名前で意見交換が自然とはじまります
シェフェスタ 食文化プログラム「はじまりの奈良」。
http://nara-kokushoubun.jp/events/naf/?post=5067
一流シェフが奈良食材を料理するシェフェスタ
今日のテーマは、
奈良人なら体の70%はこれでできている。笑
"柿・柿の葉すし・茶"
一年前は、SNSで流れてくるタオルマンのグラフィックを見て
「すごい!」
と思っていました。
一緒に描ける日がくるとは!
今回、大きなシンポジウムなのでパートナーとして呼んでもらいました。
2人で同時進行で描くことで
2人の異なるコミュニケーションフィルターを通った言葉を模造紙に残すことができました。
そして、苦手なイラストや似顔絵の部分を
タオルマンの素晴らしい画力で描いてもらえることで
安心していつもよりも勢いよく講演者や参加者の心の動きや空間の変化を感じ取ることにアンテナを使うことができました!
もちろん、2人になる分、
お互いのこだわりの部分や、価値観の部分での葛藤や食い違いをありましたが…
それも含めて、とても濃い学びの時間になりました。
グラフィックファシリテーションをしていると
非言語コミュニケーション力が鍛えられていきます。
以上、またまたグラフィックファシリテーションに関するマニアックな投稿でした。
ファシリテーショングラフィック大会@パリ
フランスで行われた、ファシリテーショングラフィック大会に参加してきました!
そもそもは、9月の上旬にパリに行く用事ができたので
せっかくならパリのグラフィックファシリテーター(FG)と話したいな
と、Facebookの世界グループでよびかけたのがきっかけ。
そしたら、パリに住むMarieが
「フランスで初めてFG大会を行うから来たらええやん!(訳:さよ)」
と、声をかけてくれました。
↑こちらの美人パリジェンヌ
いやいやいやいや、
フランス語話せません!笑
と思いつつ、
話を聞いていると、フランスでは
30代〜50代くらいの方が、教育やビジネスとして活用されていることが多く
さらに、発達凸凹についても聞いたことあるわよ。
と聞き
理解できないかもしれないけれど、、まぁなんとかしよう!参加しよう!
と決めました。
OST(オープンスペーステクノロジー)形式で、格式張った雰囲気はなく、日本でも馴染みのある光景の中でスタート。
と油断していたら、主催者の方が何か私に話しかけてくれていた時に、うっかりパノラマ写真をとっていて
いきなり参加者の視線と笑いがこちらに・・・!
めっちゃ見られている!!
その後、企画者からの大会の説明については、隣の方が、英訳をしてくれました。
OSTなので、会場に集まった人々から話したいテーマが集まります。
5箇所のスペースで6セッション。
つまり、毎回45分間、5箇所に分かれて対話します。
それを6回くりかえす。
どれも日本で話しているような課題に近くて
どこに行くかものすごく悩みました。
(何を書いているかわからないので、これもみんなに聞きまくる。)
結局、
◯グラフィックファシリテーションを教育現場でどう活かす?
◯グラフィックレコーディングのテクニックについてシェア
◯対話の話し合いをどう行動にうつす?
この3つには必ず行こうと決めて、あとはフリーに動くことに。
OSTの様子。
フランス語は話せません。わかりません。笑
なので、座ってグラフィックのボードを見ているだけでも雰囲気をつかめるし、
Do my bestでいいや と思っていたら
毎回、誰かしらが隣に来てくれて、
「訳してあげるで」(もちろん仏語→英語)
と声をかけてくれました。
英語にも不安があったけれど
まったく理解できないフランス語に比べたら理解できる気がするから不思議…!笑
しかも、今回集まっているのは
普段から、話し合いの現場で、人の話を要約して構造化して描いたり
ファシリテーションを仕事にしている方々。
説明が本当にわかりやすくて
一言一句訳すのではなく、要点を訳してくれるからすごくわかりやすい!
グラフィックファシリテーターって素晴らしい!!笑
結果として、ほとんど理解しながら手元にスケッチノーティングができました。
10:30〜17:30までの、詳しい対話の内容については、
後ほどまとめたいと思います。
日本に関心を持つ方もたくさんいたので
現在お世話になっているグラフィックファシリテーターのプロフェッショナルコース主催者の夏子さんのことや、ファシリテーター文具のエバンジェリスト、ナミさんの話、そしてOne day cafeで、発達凸凹の対話にグラフィックがとても役立っているという話を紹介させてもらいました。
大会の最後には、どんな人が今回この場に集まったのかをみんなでグラフィックボードにまとめました。
◯どこから来たの?
○男?女?
○仕事は?
などなど…
こういった会場の一体感を出す仕掛けもあちこちにあったので
このあたりも改めてまとめておきたい。
ちゃっかり日本の旗を描いてきました。笑
経営コンサルタントやエンジニアの方がとても多くて
あとは、グラフィックファシリテーターとして独立されている方
大手銀行の中でグラフィックファシリテーターとして働いている方
興味深い話をたくさん聞くことができました!
今回の参加、「来たらいいやん?」と無茶を言ってくれるMarieがいたから実現しました。
そして、この大切な日に、日本人を迎え入れてくれたフランスのグラフィックファシリテーターのみなさんがいたから、心地よく過ごすことができました!
詳しい報告は、改めて。
Thank you so much, Marie!!
Marie のサイト
http://mariecaron2.wix.com/mariecaron
深◯ねっと2017「これからの地域福祉について考えよう。」
深草まるごとつながりネットワークねっと2017
通称深草◯ねっと。
「これからの地域福祉について考えよう。」
全5回のうち、3回目が先日開催されました。
私の住んでいる地域、伏見で開催されている取り組みです!
伏見で活躍する多様なバックグラウンドの方が40人近く来られます。
企画のねらい
◯「そもそも地域福祉って何か?「これからの地域で求められる地域福祉のカタチ」を学ぶ
◯地域を構成する既存組織の枠組を超えた、連携(ネットワーク)型支援のあり方について参加者の意識醸成を図る
◯福祉課題の2極化(子どもー高齢者)を包括的に捉えて
「今後も安心して住み続けられるまち(地域)をどう作るか」
「子ども(孫)世代に何を残したいか」
「こどもー高齢者間をつ なぐための仕掛け(仕組み)」といったテーマを「自分ゴト」として捉え、そして、考えてもらうため の話題提供の場にする。
この取り組みに尽力されている、深草支所担当のまちづくりアドバイザーの白水育世さんと伏見いきいき市民活動センターセンター長の三木俊和さんが、これらのねらいを大切にするためにグラフィックファシリテーションを取り入れています。
地域支所の取り組みに、このような新しい仕組みである「グラフィックファシリテーション」を取り入れるには、大変な交渉が必要だったと思います。いつも、周りに安心感を与えてくださるお二人笑顔の裏側にある、地域に対する想いや人を大切にされる姿、企画力、運営力から熱意を感じて、私も全力で応えたい!と、毎回背筋が伸びます!
次のアクションにつながる仕掛け
「福祉」って、誰しもが関わることだけれど、自分ごとにできている人はどれくらいいるんだろう。最近福祉の未来を考える場にグラフィックファシリテーターとして呼んでいただくことが多くなりました。
地域活動されてる方、市民活動されてる方、行政の方、教育関係者、ほんとうにいろんな方が関わる分野です。
知るために、知識は大切。
そして、未来に向けて、知識の詰め込み出なくて、対話が生まれたり、次のアクションにつながる仕掛けも大切だとも感じます。
放っておいても、未来に繋がるタネは簡単に生まれないから。
その場で話される「言葉」や「感情」(それもポジティブなことばかりでなく、ネガティヴなことも) 未来に繋がるタネとしてグラフィックに残したい。
そして、グラフィックを通じて対話が生まれるような、場への働きかけ(問いの投げかけや声かけ)を微力ながら心がけます。
深草まるごとつながりネットワークねっと2017
https://www.facebook.com/fukamarunet/
ワークショップデザイン論から学ぶ、人を巻き込む問いの練り上げ方
公開講座「ワークショップデザイン論から学ぶ、人を巻き込む問いの練り上げ方」
京都市とまちしごと総合研究所が企画されている活動推進化プログラムでグラフィックを描かせていただきました!
全部で5回の公開講座
現在第一回〜第三回までが申し込みを受け付けています。
人気の公開講座(無料ですよ〜!)です。
↑
参加者の方に塗ってもらいました^^
はじめに
ファシリテーターはまちしごと総合研究所のまっくすさん。
この講座を開講するにあたり、まっくすさんからグラフィックファシリテーションの声かけをいただいた際、「みんなと、つくってみる」ことについて話してくれました。
グラフィック(ハーベスト)についてもハーベストを通じて実現したいことを丁寧に話してくださりました。
「参加される方々が、その場で生まれた学びを取りこぼすという恐れから解放されること」
「1つ1つの気づきを大事にしてもらえる状態を提供すること」
「学びを振り返ることができ、かつ参加できなかった方々が学びを得ることができるようにしたい」
そして、スタッフの事前打ち合わせでは、「講座をつくることを通じて、手伝うメンバー自身が成長したり、学びを得たりしてほしい。」と話されました。
まっくすさんの周りに、成長したい人が集まり、そして、活躍していく人が集まる理由も納得な気がしました^ ^
どんな場にしたいか。を、聞いた上で、今回は、この場の空気や場の感動ももちろん大切にするけれど、ファシリテーション<ハーベストで、安斎さんの講座の内容は取りこぼしのないように見やすくまとめること、そして、今回の講座は参加者と参加者と一緒に活動している人たちにとって必要な内容なので、来ていない方の顔も思い浮かべながら、その方々にも伝わる内容量にすることを、わたしの目標にしました。
公開講座スタート
講座を通じて
○学びを発見して
○共有してつながって
○新しい一歩目を
そんな、まっくすさんのよびかけから講座が始まりました^ ^
今年の1月に初めてお会いしてから、グラフィックレコーディングを描かせてもらうのは今回で4回目!4回も描いているにもかかわらず、わたしの似顔絵は相変わらず下手くそですが…orz
安斎先生の講座は、何回聞いても本当に気づきが多くて、そして、すっと頭に入ってきます。
ワークショップの問いのデザイン
○いかに学びと創発を生み出すか?
○いかに自分のプロジェクトに人を巻き込むか
この二つが今回の講座の射程。
近年、クリエイティビティの求められる企業や
新しい学びが必要な学校において
ワークショップはその要請に合致しているために、注目されています。
100年も前から、ずーーーーっと「新しい手法だ!」と言われ続けているワークショップ。
1990年頃から続いているにも関わらず、常にその時代にとって新しいと感じられるものを提供することができる手法。
ワークショップのエッセンスは「非日常」「協調性」「民主制」「実験性」。
ひねりのある問いが創発を生む
前半のお話で面白かったのは、安斎先生が実際に研究された「ワークショップの問い」の話し。
ワークショップをする際に
①心地よいcafeとは?
と聞くのと、
②危険だけど心地よいcafeとは?
と聞くのとで、何か結果が変わるのか。
実際に安斎さんは日本全国をまわって、この2種類の問いでワークショップを開催されました。
結果、①だとすぐに結果が決まったり声の大きい人の意見が通りやすい傾向にあるのに対し、②は対話の連鎖が多くなったそうです。沈黙の時間も生まれやすくなり、それがワークショップの中でのコラボレーションを生み出しやすくしている一つの要因という結果がでたそうです。
問いのコンビネーションが大切
問いたいことをいきなり問うのが良いとは限らない。
動機付け→視野の拡大→本題
演習では、このような段階を踏んで問いをつくることに挑戦しました。
効果的な問いのパターンや切り口を探すアプローチについてお話があり、実際に一人一人が問いを考えました。
ワークショップで考える問いと、参加者に投げかける問いが必ずしも一致するわけではないというお話に、参加されている方の顔もだんだんと真剣そのものに。
人を巻き込むコミュニティの問いのデザイン
詳細についてはグラレコにも描いているので割愛しますが、特に印象に残ったお話をひとつ。
パリのカフェの話。カフェにやってくる新参者から常連へと移行していく話が、まさにコミュニティ形成の軌道となっていて、おもしろかった!
ポイントとしては以下のようなことが挙げられました。
○定期的に新しい風が吹く仕組みが必要
新規参入者(カフェでいう初めての来店者)が気軽に周辺参加できるということ
→場の新陳代謝につながる
→同じ人ばかりで熟達が進むと、場が固着していき、学習が停滞する
○熟達者のやり方が可視化されているかが鍵
既存の構成員(カフェでいう常連客)の上手な学び方の手本が可視化されているということ
→手本が見えることで、周辺参加者が「ああなりたい!」「ああすればいいのか!」と思えるようになり、つながっていく
コミュニティのコアにいる人達だけでいつまでも運営していても、場の固着化が進む。持続可能な組織にするためには、徐々に新しい風が入る「周辺参加の仕組み」って、とても大切。この視点、自分のコミュニティを思い返して意外と抜け落ちやすいんじゃないかと感じて、ハッとしました。
問いは成長する
安斎さんからの最後のメッセージ。
「問いは成長する。」
「問いを他者にさらしてアップデートする。」
「問いに暫定解を出しながら、問いを成長させる。」
近日、問いの本を出版されるそうです!安斎さんの問いへの想いが伝わってしました。
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人によって刺さる問いが違う、というのはおもしろいなと思いました。
わたし自身、「問いは苦手だ」と思って生きてきました。問いを投げかけられるのは苦手です。そっといておいてほしい。笑
今回の安斎さんの講座で、気づいたのは、よくよく考えてみると、良い問いは、本人が問われていることに気づかないくらい自然に思考に導いてくれるんだということ。
自分がいれば解けるかも、と思わせるような問いを投げられられたとき、知らず知らずのうちに巻き込まれてきたかも。笑
ファシリテーションをしていると、必ず必要な問い。時間をかけて、これから問いをつくるときには丁寧に考えていきたいと思えた時間でした。
参加者の方が、手にした問いを大切にして、人が繋がり、まちづくりに繋がっていくときに、今回の学びのハーベスティング(ファシリテーショングラフィック)が少しでも役立てばいいなと思います。
写真 by東信史さん、あるちゃん
グラフィックファシリテーション
by Demu 鈴木さよ