大切なものをたいせつに

北極海航海に2度いくほど海が好き。 疑問に思ったことは自分の目で見て感じて確かめたい、と17歳でイギリスに1年間滞在、その後、北極海研究船に2度乗船する。メーカー勤務、大学勤務の中でその場で「話の見える化」を行うグラフィックファシリテーションと出会う。会議、ワークショップ、講演会、教育現場等、これまでに500以上のの現場に携わる。発達凸凹への活用を中心として、組織開発や教育現場での活用法を探求している。 https://www.tagayasulab.com/graphicfacilitation

Edcamp AZ in OsakaでOST(オープンスペーステクノロジー)〜どんな未来の学校がほしい?

Edcamp AZ in Osakaに参加してきました!

 

去年、グラフィックファシリテーションチームの世話役をさせてもらい、職業も年齢もさまざまな方と出会ったイベント。今年は、私自身がテーマとなる「問い」を持ち、その場に集まってくださった参加者と答えのない「問い」に対して対話しました。

 

今回、みーにゃんこと奥野美里さんと一緒にテーマを出し&グラフィックのバディを組めたことがすごく安心感をもって居られて、さらに昨年に引き続き、しげっち、玲さん、運営委員のみなさん、22名もの場をよりよくしたいと願うグラフィッカーのみなさんと場をつくることができて、一人ではできないことに一歩踏み出す力をもらいました^^

 

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Edcampって?

 

Edcamp AZの元となるEdcampは、2010年にフィラデルフィアで第1回が開催されて以来、80以上の国と地域で、1000回以上開催されてきた、教育関係者のためのカンファレンス。教育現場の課題を公立・私立学校の教師をはじめ、教育に関心のある多業種・多業界の参加者で議論し、アイデアや知識を共有し、「明日からの学校・学びをもっとワクワクさせる」イベントです。今週末も、来週末も、世界中のどこかでいくつものedcampが行われています。

(WebページよりEdcamp AZ in Osaka 2018

 

EdcampはOST形式で進められます。OST(オープンスペーステクノロジー)は、わたし自身も2年前から毎月開催しているOne day cafe.kyotoでも使っている対話の手法を使った対話型の場づくりの方法で、話したいテーマを参加者から募ります。

 

 

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One day cafe.kyotoでは発達凸凹について当事者や家族、研究者や教育関係者等、色んなバックグラウンドの方が普段の肩書きを外して対話する場です。

 ※OSTについて詳しく知りたい方は大川さんの著書OSTがわかりやすくておすすめです

OST(オープン・スペース・テクノロジー)実践ガイド|書籍|英治出版

大川さんとは去年このedcampでご縁をいただき、ワールド・カフェから始める地域コミュニティづくり: 実践ガイドの表紙を描かせていただきました。

 

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Ed camp in AZの表紙を描くYASUさん。

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グラフィックログインも作成してくださりました!
3月の情報コミュニケーション学会で一緒にチームを組んでグラフィックデビューされてから、いつもグラフィッカーの関係性をホールドしてくださったり、年齢問わず挑戦したり率先して行動してくださる姿が本当に励みになる^^

 

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参加者&グラフィッカーとして参加した1日

 

私自身、グラフィックファシリテーションチームとして60分×2 描きながら、2回、自分自身の課題と感じているテーマに参加して、そこに集まってくださったみなさんと対話しました。

 

私はOST(オープンスペーステクノロジー)の原則がすきです。

 

ここにやってきた人は誰でも適任者
ここで起きることは全て起こるべきして起こること
いつ始まろうと、始まったときが適切なとき
いつ終わろうと、終わったときが終わりのとき

 

だから、答えのない問いも思い切って出せる。

そして、こんな話になると思っていなかった展開になりました!

 

 

 一つ目のテーマ

「障害児を守る・助ける・わけるだけでなく『自分に必要な配慮を求めていけるスキル』考えて行かないとあかんのちゃうの?」

 

2年前から凸凹フューチャーセンターでは、月1の対話の場(OST形式)や勉強会を通じて、発達凸凹を含む生きづらさを抱えた人が心地よく過ごせる社会にしていくために、じわじわと活動を続けてきました。それは、大学や教育機関におけるアドボカシー教育 (自分に必要な支援を自分から伝えて助けを求めていくスキルを子ども自身に身につけられるようにする) とも繋がっていて、そのことに関連したテーマ。

 

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ファシリテーターはみーにゃん。まず何のために対話を可視化してこの場でグラフィックを描くかを鈴木から参加者に説明した後、その場に来てくださったみなさんに自己紹介と共に、このテーマに何を期待してきたか話してもらいました。

 

そして、一通りみなさんが話して模造紙が5枚目にさしかかるくらいで、だんだんと話が同じ話題で行ったり来たりし始めたので、一度椅子から立ち上がってもらい、模造紙の前で立ち話&さらに意見を書き込んでもらう時間をとりました。

 

話したことを全体的に眺めながら、「ここは繋がっているね」「この話ってここと繋がるんじゃない?」「もしかしてフィジーの幸せの話や、不等価の話は、いつも助けてもらっていることで肯定感を下げているこどもの話と繋がるんじゃない?」と話が盛り上がったり新しい話題が出るたびに書き加えたり描き足して、どんどん色を重ねていきました。

 

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普通ってなんなんだろう

 
当たり前って何?

 

とんがった才能を大切にする教育が必要なんじゃ

 
不等価に慣れていない日本人

 
与えてあげることが幸せのおすそ分けなのかも!


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話の盛り上がったところ、みんなが熱を込めて対話したところにはどんどんと色を重ねていきました。

 

『与えさせてあげる』『助けさせて上げてる』って幸せを分けて上げてるんじゃない?

という言葉が生まれてきました。

 

助けて上げている側がすごいとか、助けることで見返りを求めるとかじゃなくて、「助けさせてもらえるって」嬉しいことなんじゃない?ということ。

 

はじめにでてきた意見は「私は助けてもらってばかりだ。何もできないんだ。活躍したいのに。貢献したいのに・・・だめな私。」と、支援される側が自己肯定感を下げているという現状。その後に、対話を紡ぐ中で、「さぁ、助けて。と胸を張ってもいいんじゃない。『幸せ』をギブしていることになるんじゃない?」という話に

 

でも、「これって日本人にはなかなか浸透しないよね。日本人はGiveをされたら返さなきゃ、とかGiveしたら返してもらえると思ったり、不等価に慣れていない」という事実もあって

だからこそ、まずは生きづらさを抱えている子ども達がいる教育現場からポツポツと変えて行く必要があるんじゃない?

子どもから私たちと一緒に変わっていけるんじゃない?

変えていけるのは教育現場からなんじゃない?

といった話に繋がっていきました。

 

 

 

二つ目のテーマ「どんな未来の学校がほしい?」

 

写真を取り忘れてしまったので、グラフィックが手元にないのですが、このテーマもおもしろかった。「どんな未来の学校がほしい?」と聞いているのに、出てきたのは現状を変えれてない理由や、課題、問題。

 

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「じゃあどんな学校にしたいの?」と問いをなげかけても、すぐに現状否定の話になる。

 

私たちは、現状の問題の目を向けたり課題を解決することに注力する文化に慣れてしまっているんだな、と感じました。

 

普段の仕事では、よくグラフィックファシリテーションをつかって経営戦略や組織のビジョンなどを会議で描くということをしています。

 

例えば10人がとっても汗水たらして残業をして頑張っているけれど、「なんでそんなことするの?」「おまえは分かっていない!」「もっと優先することがあるだろう!」「それは固定概念だ!」と分断がおきはじめるとき。でも、10人とも必死だし、良いことをしているつもり。

それってそれぞれが描いている未来が違っていることはないだろうか。

各々の描く未来を共有せずに、各々が信じる未来に向かってしまうから起きてしまう。描いている方向性や未来が違ったら、当然、各々の正義が違う訳だし。

少し遠回りをしてでも時間をとって描くことで、分断が見えてくるのに。

 

今回、教育について考える上でも、そんなことを感じました。

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先生だけでなく、公務員、文科省の方、学生、親御さんと、共通言語がバラバラの方が集まる中で、空中分解せずに対話を活性化させながら一つの方向性まで見えたのは、絵を描いても描かなくてもいい。座っても転がっててもいい。自由にしていいよ。という会場の雰囲気のおかげだな~と、運営メンバーやこの場に集まったみなさんに感謝しています。

 

そして、今回毎月開催しているOne day cafe.kyotoで、たくさん失敗しながらも共に試行錯誤してきたみーにゃんと共に場をホールドしました。ファシリテーターもグラフィックファシリテーターも必要なときに交代したり任せられる関係性が場にも出ていた気がして、数年前の私には到底つくれない場でした。

 

 

 

 

22名のグラフィックメンバー紹介!

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今回もしげっちが場をホールドしてくれました。

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グラフィックチームのみなさん、取りまとめをしてくれたリーダーのりっちゃん、けいちゃん、運営メンバーのみなさん、のびのびと対話できる場をありがとうございました!

 

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少年グラフィッカーを巻き込んでいる図w
色塗り手伝ってもらいました^^

 

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 最後に。昨年のEdcampのときに「グラフィック本気出してみても良いんじゃない」と安定した職場を手放して夢への一歩にそっと背中をおしてくださったのが財前さんでした。名札を描かせていただきました(名前はTEAL色)

 

 

今回の描かれた模造紙たちが、くるくると丸められてしまわれる、ただの「見える化」で終わりませんように。この先、本気で一歩を踏み出す人が、もがき悩み迷った時の道標になったり、仲間と進む時のフューチャーマップとして背中をおす存在になり、この日の実りが次へと繋がりますように。