初心にかえる。ゼロからのスタート
高岡市のEフェスタ
1週間続いたフェスタの最終日!
ここのメインの基調講演で、きっしー☆さんとグラフィックファシリテーションをしました。
ゼロからグラフィックの価値やら活用方法を伝えていく日々のはじまり
会場からも声が上がっていましたが、富山の方は自称「保守的」だとのこと。
グラフィックを導入する場合も、海のものとも山のものともわからないものを活用するにはハードルが高い!当然ですよね。
明石で「なんだかよくわからないけれど、この話の見える化する技術は大学のアクティブラーニングで役立ちそうだ!まずは私が描けるようにならなきゃ!」と、グラフィックに出会ったばかりの当初、「あやしいものではないんです。場をよりよくするためにグラフィックを描きたくて、良ければ描かせていただけませんか…。や、絶対にイベントのじゃまはしません。本当に。部屋の隅っこで模造紙を貼るだけですから…」(じわじわ…)
と、いろんなイベントや企画、研修や学会でお願いしてまわったのを思い出しました。
今回、きっしーさんが、丁寧に交渉してグラフィックを活用する場づくりを実現しました!本当にすごいことだなぁと感じつつ…
高岡市で一歩前進。
といっても、対話の時間をつくったり、アイスブレイクをしたり、模造紙の前で対話を深めたり。いつものように目的に合わせたグラフィックを活用したプロセスデザインを提案するようなことまではまだまだ時間がかかりそうで、ほとんど今日はグラフィックレコーディング。少しだけ、久しぶりに描き始めた当初の悲しい気持ちも思い出しました。
ちょこっとプログラムを変えるだけで会場がもっと良くなるのに。講演者だけじゃなく、ここに座っている参加者にもたくさんの豊かな想いがあるのに…
目の前に少し手を伸ばせば変えられそうなことがあっても、主催者と事前に擦り合わせなければ不安にさせてしまっては意味がないし、私たちに今回できたのは目的や場に起こりそうな場の声を見立てて、会場に全神経を研ぎ澄まして、必要な声を模造紙の上に残すこと。
もどかしい気持ちも抱えつつ、富山に来て、この土地で、また、グラフィックの活用法やプロサスデザインの説明をしながら、価値を届ける日々が、ゼロから始まることを実感しました。みんなより良い社会にするために良い場をつくりたい。でも、その方法を知らないだけ。そして、その時、その場にいる人でつくられる空間は同じものはないから、正解はなくて。試行錯誤し続けるしかない。わたし自身わからないことだらけです。
今回の基調講演
テーマがなかなかエッジのきいていました。
会場に20〜30代の人は数人いるかいないか。
参加者は元気な年配の方々でした。
「女性活躍できない…」のが前提なのか?!と反応する心と向き合いつつ、まずは心をリセット。
講演をしてくださった森屋さんは大阪の茨木市から来られた方で、女性が活躍するためにご自身でバックアップスクールを設立して社会問題に立ち向かっておられるエネルギッシュな方でした。
後半のパネルディスカッション
今回、テーマが「女性の活躍」ということで、個人的な事前の見立てでは、おそらく価値観の違いによるさまざまな意見が飛び交うと予測していました。活躍の定義もないし、今回の活躍が何を指すのか、そもそも活躍って何なのか、どの場面での活躍を指すのか、また、女性が活躍できてない前提のこの言葉から、女性を応援する人もいれば、女性ばかり取り上げることに反対極の声も出てくるだろうという見立て。みんな同じように「よりよくしたい」けれど、見る角度や考え方のものさしが違うだけ。
おそらく、場が炎上したり、マイノリティな意見を言う人が現れたりするときに、いつもなら場が冷めることがあるとしても、そこでこそ、グラフィックでホールドしようと思いました。
後半のパネルディスカッションはきっしーさんがメインで会場をホールドしてくれました。わたしはそのサポートに。グラフィックがあるときとないときの比較ができないので残念なのですが、もうすぐ400近くの現場に携わるところまで来て感じるのは、会場から活発な質問が出てくることや、普段なら場が冷めるような批判的な意見がでても、そこに対して、「そうだね、いろんな考え方がある」と前に進み続けられるのは、目に見える形で受け止めるグラフィックがあることが一つの良い効果をもたらしていると思うのです。
うまく言えないけれど、地震が目には見えないけれど確かに振動として伝わったりエネルギーとして大きな影響を及ぼすように、人が集まった時に場から生まれるエネルギーってパワフルで。
そのエネルギーを受け止める器がないとどうなるか….。炎上したり人と人がぶつかったり、誰かに攻撃的に当たったり、混乱が起きたり。そんな時に、見えないエネルギーを模造紙の上に受け取って描くというのは、結構理にかなったホールドの仕方なんじゃないかな。と。
正解のない話し合いや、多様な価値観が混在するときには特に。うーん。うまく言葉にできないです。
グラフィックは高岡駅前のウィング・ウィング高岡6F、高岡市男女平等推進センターに貼り出されています。
貼るところが見つからなくて、高岡市男女平等推進センター年表の上に貼らせていただくというなんとも恐れ多い…
主催者の一人であるきっしーさんがいてこその実現です。
今日来れなかった人や、対話が生まれたり、ここで生まれた問いを思い出したりする場になればいいなぁ。
運営企画視点から〜グラフィックファシリテーションを学会に取り入れる試みから見えてきた課題
2018年3月に開催された第15回情報コミュニケーション学会全国大会では、初の試みとしてグラフィックファシリテーションが導入されました。
写真:西尾 信大様
当日の詳細はこちら
第15回情報コミュニケーション学会全国大会の実行責任者である畑先生には、導入検討段階から本当にお世話になり、何度も「何のために学会グラフィックを導入するか」ということについて話し合う機会をいただきました。グラフィックを知らない方や実行委員のみなさんへの説明や、どうしたら双方向コミュニケーションを生み出せるか。グラフィックチームが機能するために必要なことや、参加者への配慮など、あらゆることを一緒になって考えてくださり、細やかに気遣ってくださりました。
10 代から 50 代までの年齢、職種 等様々な15 名のグラフィック経験者が集まりチームを組み、学会側の目的に合わせて、どんな場にすることをめざしたのか。結果としてどのような場になったのか。畑先生が、企画者側の視点からまとめてくださりました。情報コミュニケーション学会第 24 回研究会でご報告された内容の公開を快く承諾くださったので、こちらで紹介させていただきます^ ^
グラフィックファシリテーションを含むVisual Toolはとてもパワフルで影響力があります。見た目が華やかだからこそ、なぜ活用するのか目的をしっかりと握っておかないとパフォーマーのようになることもある。
今回の本文中でも触れられていますが、グラフィックを描くことだけでなく、どんな目的で活用するか、どの場面で活用するか、誰に対してどのような影響を及ぼしそうか等、事前に把握して準備をする必要があります。
今回の学会でも決して良い意見だけでなく、厳しい意見もいただきました。
え!こわい!といって遠ざけたり、批判してみるのは簡単だけど、どんなものにも良い面もあれば気をつけないといけない面がある。
万能薬はないから。
副作用も考えながら。
これからVisual Toolを活用したいと思っている人のヒントになればという想いで、良い面も課題点も共有できるようにこちらに掲載します。
ペンを持つ人にも読んでほしいですが、
パワフルさに気づき、これからグラフィックを活用した場づくりを検討されている方にも読んでいただきたい内容です^ ^
※以降の引用はすべて以下の文献を使用しています。
<参考文献>
畑耕治郎,鈴木さよ『グラフィックファシリテーションを用いた場の活性化の試み』,
情報コミュニケーション学会第 24 回研究会 CIS24(2018.7.14)
目的とグラフィックの導入場面
今回、全ての研究発表と講演に導入し、さらに、2日目の基調講演では、明治大学よ阪井先生の協力により、グラフィックファシリテーションを活用したOST(オープンスペーステクノロジー)が実現しました。
本取り組みでは、情報コミュニケーション学会第 15 回全国大会(以降、全国大会)において、参加者によ る対話や議論の活性化を促すことを目的に、すべての 一般研究発表と講演にグラフィックを取り入れ、場の活性化と登壇内容の共有を図ることを試みた。
懸念点・不安な点もたくさんある中で、それでも「話の見える化」の可能性を模索しながら目的に向けて試行錯誤しました。
2 懸念されたこと 全国大会でグラフィックを用いる場面は、「一般研究発表」「基調講演・招待講演」「参加型ワークショッ プ」の 3 場面を計画したが、最も導入を懸念した場面は一般研究発表である。一般研究発表で行われる発表内容は、すでに構造化されていることに加え、多くの登壇者は事前に発表の練習を行い、感情の起伏も少ない状態で行うことが一般的である。登壇者の思いやその発表を聞いている参加者の反応など、その場を描きとり対話へ誘導するグラフィックファシリテーションには不向きの場ともいえる。また、グラフィックを描くグラフィッカーと登壇者が事前に打ち合わせを行うことが困難な状況にあることも大きな不安材料のひとつである。
さらに場の活性化には、主催者や参加者のグラフィック活用への理解も大きな影響を与える。著者らの経験によれば、グラフィックを用いれば必ずすべての場が活性するわけではない。例えば、発表者からは「描 いた絵は発表内容と異なる」「もっときれいに描いてほしい」などのクレームが入ることも少なくない。また、主催者のグラフィック導入の目的が曖昧であったり、 導入目的が参加者に伝わらず、グラフィッカーがパフォーマーのように扱われたりするなどグラフィックが 不本意に扱われてしまうこともある。
グラフィッカー同士のチームビルディングを通じて、事前に打ち合わせを重ね、グラフィックチームが入る目的や、チームとしてのグランドルールなど必要なことを事前に検討しました。グラフィックファシリテーションでは、感じとったことを描くので、チームとして機能するためにお互いの価値観や不安なことを共有しておく重要性を感じています。
3 大会に向けて
3.1 グラフィッカー間との理解
全国大会に向けて10 代から50 代までの年齢、職種等様々な15 名のグラフィック経験者が集まり、チームを結成した。チームを結成するにあたり、当学会で取 り扱われる専門知識が不足している、連続して描くこ とが初めて、学会への参加自体が初めて等、メンバー 間の多様性が明らかであった。一人ではできないことを実現させ、チームとしての良さを最大限に発揮する ため、事前に各々の不安を明確にして助け合うプロセスの準備やチームビルディングに時間をかけた。また、「なぜ描くのか」「描くことを通じてどのように学会に貢献するのか」を明確にするために話し合いを重ねた。言葉では表現できない熱量や話し手の想いを描くグラフィックファシリテーションの技術については、全国的に活用される場面が増えてきているものの、参加者の中には初めて見る人も多いことが予想された。グラフィックの成果は絵ではなく、グラフィックを描くという行為を通じて生まれる「場の活性」や「立場を越えた人々の対話」であることが伝わるよう、事前準備だけでなく当日についてもいくつかの工夫を行った。
グラフィッカー同士で描きあう様子
主催者側からみたグラフィッカーとのやり取り
3.2 主催者とグラフィッカーとの理解
大会の4ヶ月前から主催者とグラフィックチームの代表らでミーティングを重ねた。著者らの経験ではグラフィッカーが企画段階から打ち合わせに参加するこ とは非常に希であり、ミーティングではグラフィックを導入する目的を確認するとともに参加者への理解を促し、対話が活性化するための工夫について話し合った。例えば、受付時にはグラフィックログインを用意し、参加者とグラフィッカーとの接触を試みる。一般研究発表と基調・招待講演においては、グラフィック レコーディングとして場を記録し、大会期間中は描いたグラフィックを人通りの多い場所に展示し、対話の機会を誘発する。さらに発表セッションの最後に振り 返りの時間を設け、付箋紙などを用いて対話の機会を つくる。参加型ワークショップでは、グラフィックフ ァシリテーションとして、場を盛りあげ、対話の活性 化を促す。など場面におけるグラフィックの役割や活用方法についてアイデアを出し合った。
どのような場になったのか
4 大会を終えて
全国大会には、約 180 名が参加し、56 組の一般研究 発表が行われた。登壇者からは、「自分の発表をグラフィックにしてくれてうれしい」「自分の発表がどのように伝わっているのか具体的に確認することができ、自 己内省に役立った」「これまでの発表と比べより多くの 方から声をかけてもらうことができた」などグラフィック活用に対して好意的な意見が多く聞かれた。 また、情報交換会の参加者からは「この場がパネル 発表の会場のようでよい」「グラフィックがあることで会話がはずんだ」「振り返りの場となった」などの意見が聞かれた。さらに参加型ワークショップの参加者からは「はじめてグラフィックファシリテーションを目にしたがとても対話がはずむ仕掛けであることを体験 した」「是非、職場でも取り組みたい」などオープンス ペーステクノロジーとグラフィックの組み合わせに良 い印象を得たとの意見が多く聞かれた。 一方、グラフィックレコーディングを長く活用されている方々からは、一般研究発表におけるグラフィッカーの役割が不明瞭であったとの意見があった。
研究発表では、以下のような内容を口頭で付け加えています。
・一般研究発表での導入にあたって発表内容やグラフィッカーの力量など、いくつかの要因によって状態にバラツキが見られた
また、質問として以下のような声もいただきました。
・グラフィッカーと発表者との議論は活性化していたように思うが、発表者同士の議論にまで到達できていなかったセッションも見られた
・グラフィッカーが発表内容を十分に理解できていないシーンが見られた
見た目が華やかだからこそ大切にすることをしっかりと握っておきたいこと
ただし、グラフィックには華やかさがあり、イベント性が強いことからグラフィックを取り入れることで場が活性化しているように感じてしまう功罪がある。グラフィックファシリテーションの成果は描かれた絵で はなく、グラフィックを描くという行為を通じて生ま れる「場の活性」や「立場を越えた人々の対話」であり、何より参加者がその場に「参加した」と実感できることが対話の活性や次のアクションとしての共創につながるとすれば、これはそもそも当学会が目指している研究大会の姿のひとつでもある。
いろんな考えの方がいて、心地よさも一人ひとり違う。描くことがよりよい場づくりに繋がる可能性もあるけれど、きちんと目的を考えないと、描くことが目的になってしまうと本末転倒。
今回の学会を通じて
グラフィックを描く人間は、描くだけでなく、グラフィックのパワルフルさや、主催者のニーズにあわせた活用方法を提案するといった場に関わる責任がある、と、以前よりも強く感じるようになりました。毎回試行錯誤ですが、丁寧な場づくりを心がけていきたいです。
最後まで読んでくださりありがとうございます
拙い文章、最後まで読んでくださりありがとうございます。長々と小難しいことも書きましたが、楽しくグラフィックを描くことはわたしはすごく素敵だと思っています。そして、同時に何か行動を起こすということは、誰かの価値観に触れて批判されることもあるし、無意識に誰かを傷つける可能性も含んでいると感じています。本文章が、一人ひとりができるだけ心地よく生きていけるためのヒントの「ヒ」くらいになれば幸いです。
心から感謝しています
グラフィックチームに対して終始丁寧な配慮をしてくださった畑先生に心から感謝しています。大切にしていただける場に携われたことで、この時に参加していたメンバーがその後もさらに活躍の幅を広げるエネルギーに繋がっているように感じます。
最後に、初めての試みの中、一緒に悩み考えてくださったグラフィックチームのみなさんに、もう一度、ありがとうございました!!
最近、八尾市によく出没しています
昨年、みせるばやおの設立までの半年間、伴走させていただいて。
今年から2年間、2021年〜のビジョンを描くために、八尾市産業振興会議に伴走させていただいています。
今日は2回目の全体会議に向けての打ち合わせ@みせるばやお
今回はフュチャーファシリテーションセンターのはらさんも打ち合わせに参加されていて、お世話になっている方と一緒に仕事できることにいつもよりワクワク。
相変わらずステキな場所です。
実はみせるばやおの会員になっていたりします。
木村石鹸さんの製氷機用の石鹸がマニアックすぎて心に刺さったので、つい購入。
午後からは、谷元フスマ工飾さんの開発部の会議でグラフィック
和室から幸せを届ける会社。
和室にまつわるあれもこれもネットで手に入れられるという斬新でステキな会社を盛り上げておられるみなさんと伴走させてもらうのは毎回楽しみで。
今回の会議にはFacebookの中の人(広報担当の方)もおられていつもとはまた違う雰囲気でした^ ^
↓
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フォーラム「多様性が拓くみらいについて考えよう!」@同志社大学 無事に開催終了しました。
凹は価値だ
参加者がくるかわからない。
でも、発達凸凹の人も家族も研究者も、みんな一緒に対話することで見えてくるものがある気がする。と始めた対話の場。
第1回は参加者2名でした。
毎月「One day cafe.kyotoという発達凸凹の?について語るcafe」を続けてきて、今回は2年経つのを節目に、凸凹フューチャーセンターフォーラムとすることにし、ドタバタ(本当にドタバタバタバタ・・・・)と場づくりを進めてきました。
毎回、参加者の対話をグラフィックでその場で見える化して、そして、大切なエッセンスをグラフィックでハーベスト(収穫)して、蓄積し、次に繋げてきました。
そして、2018年8月25日に、障害当事者、研究者、支援者、先生、会社員、お母さん、お父さん・・・こどもからご年配の方まで、80人の対話の場となり、同志社大学で開催させていただくことができました。
実現したのは、たくさんの人に支えてきてもらったから。
もしも、私たちが完璧だったら、誰も助けてくれなかった。
自分たちの凹を隠さずに来たことで、不完全だからこそそこに余白が生まれて私たちにはもったいないような人たちが力をかしてきてくださった気がします。
完璧じゃないから助け合える余白が生まれる
当日のことを振返る前に、一番に感謝の気持ちを伝えたい人、凸凹フューチャーセンターのみーにゃん。
浮き沈みのあるメンバーをいつも笑顔でホールドして、優しく待ってくれる。みーにゃんもまた凸凹があるのに、それを強みに変えてしまえる魔法使いみたいな大好きな人。完璧じゃないことを素直に外に見せて、その熱い想いでいろんな人に助けられながら次々に夢を叶えていく人生の先輩。
今回、二人でのCOファシリテーション&グラフィックファシリテーションにしました。
私一人では、参加者の中には鈴木と合う人合わない人がいて、ここに集まる人がみんな心地よく過ごせるために、みーにゃんにも一緒に場をホールドしてもらうことで、より安心して過ごせる場を目指しました。
二人でのcoファシリテーションは、この前参加した世界のグラフィックファシリテーション大会で見て感動きたことの一つ。すごくいいけれど、簡単ではないことがわかったので、今後もっと練習していきたいことの一つになりました。
グランドルール
2年前から変わらないルール
今回初グラフィックファシリテーションに挑戦してくださった岡さん作
まずは自分がしんどくならないように自分を大切に。なぜか日本人は、椅子にじっと座ってなきゃ!みたいな雰囲気があるけれど、走り回ったって転がったっていい。まずは、一人ひとりが心地よく過ごしてほしい。
そして、人の話をよく聴く。だけじゃなく、自分の声もよく聴いてほしい。特に、普段支援職についている方は、自分のことを後回しにして人の話を聞く姿勢になって自分の声が後回しになってしまう人も少なくないから。
そして、グラフィックファシリテーションは「誰が話したか」ではなく「何を話したか」を描くように、ここでは個人が特定される形では残さない。だから、だれもが背負っている役割「支援者」「当事者」「研究者」「お母さん」「お父さん」「恋人」をここでは手放すことができて、誰もが一人の人として話すことを促してくれる。
3人の魅力的なゲストの協力
キークエッションをくださった同志社大学総合政策科学研究科ソーシャル・イノベーションコース客員教授の関根 千佳先生
ゲストトークとして話題提供をして下さった京都教育大学の小谷先生
尼崎ENGAWA化計画代表藤本遼さん、
そして、自分の考えや気づきをこの場に共有してくださった参加者のみなさんと共につくりあげる時間。
お二人からは、終了後に、このようなうれしいメッセージをいただきました。
すべては正しい、ただし一部として
どなたにゲストに来ていただくか。何ヶ月も前から悩みました。
私自身、過去に研究者である時期もあり、また、支援者でもあり、当事者でもある。また、場を創る人間でもある。研究は、発達凸凹の特性を扱うけれど、人は生きて行く上で、幸せや感情を揺れ動かすような経験が積み重なって成長していくんじゃないかと感じていて。人間ってきっと「わー、幸せ」って思う瞬間を目指して、生まれてくるけど、長生きしたって3万日しかない寿命。46億年の地球の中で、本当に一瞬でしかない。楽しいことも悲しいことも一人占めするにはもったいなくて。どれだけ特性を生かした仕事ができても、どれだけ支援してもらって暮らしが楽になっても、一人だと、時々孤独。だからしんどいこともたのしいことも、共感したり、時々ぶつかったりする人間の関係性の中で生きていると感じるんじゃないかな。
そんなことを考えながら、支援や研究の視点にも、当事者の見えない「想い」や「気持ち」を大切にする「方法」がもっと広がればいいなと感じていました。
つまり、密かに期待していたのは、「一見みんな違うことをやっているように見えるけど、やり方が違うだけで同じ方向を目指している」ということを、そこにいる人達の心からでてくる言葉として聞けること。
これまでの2年間で、発達障害者から、定常発達の人への「いいよね普通で」という差別を聞くこともあったし、支援者がつくる「支援温泉」のような、障がい者が自ら解決する力を搾取するような支援も見てきた。でも、全部全部、お互いの「生の声」「思い」を聞く機会がないから起きている出来事のような気がしてきた。
ゲストトークの話題提供と、参加者全員での対話の時間
今回、関根先生からキークエッションをいただき、さらに、小谷先生と藤本くんからの話題提供をグラフィックファシリテーションとして描きました。
さらに、二人の話を聞くことで参加者から湧き上がってくる「問い」をグラフィックファシリテーションに書き込んでもらい、問いの雨を降らせました。
この時に、2,3人の少人数になって対話しながらグラファシの前で話すことで、より深まったり、まだ言葉にならない想いが人が話すのを聞きながら言語化されたり、自己内省が起きることを期待して。
そして、休憩時間を挟み、そこにいる人が全員参加してかき込んだグラフィックファシリテーションを見ながら、前半のゲストトークへの振返りをしました。自分で描いた文字が入っているグラフィックはもはや人ごとではなく、自己拡張として少しずつ自分ごとになっていく。みなさんが一体化していくのを感じました。
そして、後半のOSTで、その問いを持って参加者から話したいテーマを出してもらう。という流れでした。
今回のフォーラムが決まって、すぐにそうさんから「何かお手伝いしましょうか」と声をかけていただいて。
ABDの創始者で、年齢問わずいろんな人から親しまれているそうさん。厚かましいと思いつつも、OSTのファシリテーターをお願いして本当に良かった!
そうさんだから生まれる温かい空気感と、パリッとしたファシリテート。わたしにはないから憧れるし、だからこそ一緒につくれて楽しいと感じる時間。
参加者から出されるテーマは、すぐに10テーマ出てきました。そして、テーマ毎にわかれてそのテーマについて対話しました。
参加者が湧き上がってきた「この場で話したいテーマ」を描いているところ
トーキングオブジェクト(サークルの真ん中に置く対話のシンボル)とはバザールカフェさんにお借りしたレインボーのくまのぬいぐるみ
一人ひとりが、今この瞬間に話したいテーマをサークルの真ん中にきて発表しました
すごくみんなが真剣に対話する場だった。
テーマ毎に別れて対話しているところ
そして、ゲストのみなさんが本当に魅力的で、自然と参加者と一緒になって、同じ目線で真剣に考えたり悩んだり笑ったりする場でした。
答えのないテーマだから、みんなで対話を紡ぎながら考えていく。
最後のクロージングでは、全員で今日の気づきや学びを一言の単語で表現して終えました。
ここにいる一人ひとりの人の想いが言葉や身振り手振りになって出てくる場であることが多様性を表現していて、場の多様性が、一人ひとりのうちなる多様性を引き出しているように感じました。
何度も何度も伝える練習をして、私たちは生き方を学ぶ
ボール投げだって、跳び箱だって練習が必要
自分の凸や凹に気づくにも時間がかかるし、それを人に伝わるように伝えるのも、一回で完璧に伝えるのは難しい。
「凸凹を生かし合う」「安心安全の場をつくる」って言葉で言うのは簡単。それができるようになるために、ファシリテーションを学んだり、コーチングを選ぶ人もいたり、対話の手法を模索したり、グラフィックファシリテーションで内省したり、自分のあり方に気づいたり、気づいて変わろうとしたり、何かを手放したり、人との関係性の中で練習していく時間が必要。
私たちは人よりもちょっと凸凹の差が大きい。だから、大人になりながらも理解できないことがたくさんあったり、むじゃきにびっくりするような言葉を発してしまったり、人に迷惑をかけることも少なくなくて。そのことで、私自身は、自分を責めて生きてきました。
社会に出てからが特に苦しくて、
日本の社会いると、完璧以外を排除する空気を感じて、全てが本番になっていて、そしてマルチタスクを求められて息苦しい。
だから、私たちは、凸凹のある人もない人も、生きるための「練習」を安心してできる場をつくりたい。
実際にこの数年「練習」を繰り返してきて感じていることは、多くの人が、組織や会社、所属する箱の中にいるために、自分自身の中にある多様性に蓋を閉めている気がするということ。凸凹フューチャーセンターに来る人で、涙が出るほど感動して帰っていくのは、発達凸凹当事者よりも、社会や組織の中で、ありのままの自分や、心からの感情・言葉に蓋を閉めることに慣れてしまった人たちの方。ストレートに思ったことしか言えない凸凹さんに触れて、雷に打たれたような衝撃を受ける人もいる。
これって、会社や組織にとっては都合のよい人かもしれないけれど、日本社会全体の損失なんじゃないだろうか。
安心安全な場
今回、一言も安心安全という言葉は使っていないのに、参加した人から「安心して居られました」「休職中なんだけど、家を出なきゃ。と思って。このイベントを選んで良かった。」「自分の言葉で話しができました」といった言葉をもらいました。
凸凹フューチャーセンターがつくる場には、障害を持った人もくるし、休職中の人もくるし、そうじゃない人もきます。
障害を持った人がちやほやされる場をつくりたいわけではないし、愚痴をこぼすだけの場をつくりたいわけでもない。一人の人として、お互いが尊重しあって対話する場をつくりたい。そんな想いで、プログラム設計を変えたり、新しい対話の手法を取り入れたりして毎月続けてきました。
マイノリティの人も安心して話せる場づくり
私は今、見えない「願い」や「想い」を描くことを通じて、この世界に携わっています。でも、これから描くのをやめるかもしれない。し、描きながら場をつくるのかもしれない。
誰もが老いれば障害者のような立場になるし、世の中に障害を持った人はたくさんいるはずなのに、その方々が来たいと思えない場づくりを私たちはしてないだろうか。という問いを、今回のフォーラムでもらったから。
私たちがつくるモノや場は、誰かを悲しませてないだろうか。そもそも、自分ごとにしてもらえてるだろうか。それって本当に人に寄り添った場なんだろうか。商品なんだろうか。まちづくりなんだろうか。今回新しく生まれたこの問いは、しばらく大切に抱えていきたいです。
ただの有志団体のイベントで、ゲストのみなさんのご厚意に支えられての開催でした。本当に感謝しています。協賛してくださったエンカレッジさん、成人発達障害サロンしぇあさん、そして、展示ブースに出展協力してくださったみなさん、この場には来れなかったけれど広報や運営面で応援してくださったみなさん、ここでひとり一人のお名前を挙げて感謝の気持ちをお伝えすることはできませんが、心から感謝しています。
展示ブースで紹介している様子
みーにゃんが作成してくれた素敵なチラシ
神戸自助会こねくとのしょーこさんがプレゼントしてくれた看板
「話の見える化」グラフィックファシリテーションや運営準備で、場をホールドしてくれたプロボノのみなさん
考えすぎなのか?
学生の頃から、よく、「さよは考えすぎ」と言われてきてしんどくなってきた。でも自分のしたいことを進めていけば、私より考えすぎの人がいっぱいいます。笑
私は私でしかないから。嫌いなことも含めて。
人生、丸々っと練習の連続。
私は今、みんなが憧れるような会社を辞めて、
お金もない、肩書きもない。想いだけがある。
こんな私に、いいね。と言って一緒に力を合わせてくれる人がいることに心から感謝しています。
グラファシを活用した八尾市産業振興会議がはじまりました
昨年、八尾市の事業、みせるばやおができるまでのプロジェクトに半年間伴走させていただきました。
ものづくりのワザを魅せる場ーみせるばやお。ものづくり体験ワークショップを通じて 「誰もが、いつでも、気軽に、クリエイティブを」感じることができる空間です。
半年間八尾市に通ったこの出会いがきっかけで、今年からは、2年間かけて進める産業振興会議でグラファシを活用した対話の場に携わらせていただくことになりました。今回の第2回産業振興会議では全体の進行を担当させていただきました。
平成10年に設立された産業振興会議
八尾市では、中小企業支援の進め方についての意見を聴くために、「八尾市産業振興会議」を設けています。産業振興会議は、市内の商工業者や市民、学識経験者などで構成されていて、市民や事業者の声、社会や経済の全体的な動きなどを踏まえながら、施策の充実や中小企業地域経済振興基本条例の理念および総合計画の目標の実現を図ります。
ロの字の机レイアウトにマイクを回しながら議論を進めてこられた会議を、より、委員の方々が話しやすく、専門的な知見や意見を生かせられるようにと、今年から大きく変えていこうと決めた八尾市の担当者のみなさん。本当に先進的だと感じると同時に、参加者にはワークショップの経験がない方も多く、しっかりと場をホールドするためにこれまでの体験や事例を総動員しています。
正解のない未来のまちを想像しながら、産業振興をどのように進けばいいか。
模造紙の前で対話したり、対話のプロセスを眺めたり、自ら模造紙に書き込みながら立って対話したり。今回も、問いを3つ立て、それぞれについて模造紙の前で椅子だけ持って集まり、対話を模造紙に描いて行きました。途中からは、話した内容について全体を俯瞰しながら、さらに気づきをかき込んだり、話の繋がりに矢印を引きながら、ひとり一人の中にある考えや価値観を共有しました。
誰が話したかではなく何を話したか
誰が話したかではなく何を話したかを描いていくことで、自分自身の発した言葉が客観的にみれたり、他の人が話したことが自分ごとになったり。10年後の未来に何が正しい、間違っているという答えはないので、難しい。でも難しからといってシンプルにエイやってしてしまってはトランプさんみたいにメ「じゃ、とりあえずキシコとの間に壁を建てよう!」みたいなことになっていまうかもしれない。
今回だけでなく、これまでグラフィックを活用する場で感じてきたのは、批判的に聞こえる言葉でも、一度模造紙に描くことで、人を攻撃するのではなく、場の声として扱われて、違う視点が生まれてきたり、炎上しそうな発言が出てきても、模造紙に一度描かれることで、発言者が「受け止められた」と感じやすく、自ら考えを変えていったりする。何度もこういう場を経験していると、ただ「描く」という行為そのものがそこにいる人の関係性の質をよりよくしていっていると感じます。万能薬ではないので、必ずはじめに「見ても見なくてもいいです。自分のタイミングで活用しでください」と伝えることも忘れない。
ただ、残念ながらこういう見えない変化は測れないし、グラフィックのある時とない時を比較できないので、証明できない…
でも、見方を変えると、証明できない中でもそのパワフルさを感じ取ってグラフィックを活用する場が増えていることはすごいことかもしれないな。
話がそれてしまいましたが…
まずは無事に?第2回目を終えられたこと、八尾市のみなさん、委員のみなさん、忽那座長、池本副座長に本当に感謝しています!
グラフィックファシリテーション世界大会〜EuViz2018報告会
EuVizでの経験を文字に残したいなぁと思いながら、情報量も感じたことも多すぎてまだまだまとめられていない中、もがきながらの準備を経ての報告会、開催しました。
EuVizから帰国して1ヶ月
EuVizから帰国してまだ1ヶ月経つか経たないかの中、神戸のナミさん、ありちゃん、京都のゆうすけと私の4人で報告会を開催しました。
経験してきたことがまだまた消化しきれないもどかしさや、言葉に落とし込めない苦しさを感じながら、今日の日を迎えた気がしていて。
参加者のみなさんに話を聞いてもらうことで、言葉になってきたり、その時は気づかなかった気持ちに気付けたり、本当にありがたい時間をいただいたなぁと感じています。
4人の視点
色んな知識や経験は、言葉にした時点で、それは経験した人の解釈が入った表現になる。
EuVizで起きた壮大な空間での出来事が、私が見て聴いて肌で感じたことからしか伝わらないのはなんだか恐ろしいと思い、報告会をするなら、せっかく日本人が8人も参加して、関西に4人いるなら、それぞれの視点を色んな方に知ってほしいと思いました。
すごい量の学びがそこにはあって。ここでの経験を忘れてしまう前に残したい。仕事で行ったわけでもなく、報告書を書く義務もないのだけれど、残したいという気持ちをいつもより強く感じているので、今日の報告会を機会に、これから少し一人の時間をとって、Euvizでの4日間も文字にも書き留めていきたいなと思います。
次へ
今回の報告会、2時間でした。
長々と伝えるよりも、今回、4人の記憶や気持ちが新鮮なうちに感じていることを少しシェアさせてもらい、そして、ここに来てくれる方が何に関心があるのかを私たち自身も受け取った上で、もう少し時間が経つのを待って、経験が統合されたくらいにもう一度 Visual Practiceの場を待てたらいいな、って。
タイミングが合う方はぜひお越しください♪
9/17ありちゃんとなみさん企画
EuViz報告会@神戸
https://www.facebook.com/events/1047572405420107/
9/17 Visual Practitionar
グラフィックファシリテーション入門(でむ)
https://www.facebook.com/events/227043378141727/
???かくしかlab
EuVizについてタオルマンがトーク!
9/22描く人も描かない人も描くことについて一緒に対話する場
Visual Practitionar DAY 2018
https://www.facebook.com/events/194561567895299/
11/24or12/2
タオルマンとでむ企画@京都
Visual Practice!~学んで実践する1日(仮)
Visual Practitionar〜グラフィックファシリテーション入門講座@大阪のお知らせ
日本や世界の学びの現場、支援現場での活用に焦点を当てたグラファシ講座をさせていただけることになりました^ ^
企画してくださっている京都精華大学の貞國先生は発達凸凹の学生への合意的配慮も大切にされていて、理解を深めるために One day cafe.kyoto(凸凹future center)にも足を運んでくださっています。
また、明石高専のグラファシ部、 すー。の 多田裕亮くんと Miyuちゃんに講座のグラフィックをお願いすることになりました!
10代からグラフィックをはじめた期待の若手Visual Practitionarです^^
絵がかけなくても大丈夫です。グラフィックファシリテーションに関心を持たれている方、この機会に一緒に描きませんか?